暁飯島工業JP:1997

時価総額
¥78.4億
PER
10.3倍
空気調和・給排水等設備工事の有力企業。設備工事の設計・施工、設備・機器の保守管理、点検・更新、太陽光発電の売電、不動産の売買・賃貸を展開。事業区分は設備、太陽光、その他の3分野。

事業内容

暁飯島工業は空気調和や給排水衛生などの設備工事の設計・施工と、設備や機器の保守管理を主な事業としています。建物の新設・改修に伴う工事から定期点検まで一貫して対応しています。

同社の主要顧客は建物の所有者や集合住宅の管理組合、建設会社、公共施設などで、工事受注による一時的な売上と保守契約による継続的な収入を柱に収益を確保しています。加えて、自社で行う太陽光発電の発電・売電が補完的な収益源になっています。

事業は設備事業、太陽光発電事業、その他事業の三本柱で構成されています。設備事業では空調・給排水などの設計・施工と保守管理を行い、太陽光発電事業では発電設備の運用と売電、その他事業では不動産の売買・賃貸などを手がけています。

経営方針

同社は「NEXT Akatsuki Eazima VISION2030」に基づき、10年後の成長を見据えた中期経営計画を掲げ、第Ⅱ期(2024〜2026年度)を「新たなステージへ挑戦する」期間と位置づけています。2026年8月期の数値目標は受注工事高8,800百万円、売上高9,200百万円、売上高営業利益率10.0%、配当性向20〜35%、自己資本利益率(ROE)8.0%としており、当期実績では受注工事高10,203百万円、売上高9,135百万円、営業利益率12.3%、配当性向27.9%、ROE11.1%と目標を上回る結果も出しています。こうした目標設定は、建設業界の需給変動や資材高騰、技術者不足といった外部リスクへの備えとして、収益基盤の安定化と高利益体質の確立を目指すものです。

同社は重点投資分野として、従来の空調・給排水などの設備工事に加え、建築・電気設備を含めた省エネ・リニューアル提案の強化を掲げています。差別化の核は「ビル空間事業サイクル」の確立で、情報共有や業務の標準化、省力化を進めることで提案力と施工効率を高め、高付加価値な営業提案で受注競争を有利に進める狙いです。定期保守契約による継続収入と、一括提案によるワンストップの利便性を武器に、単発工事に依存しない収益構造をつくることを目指しています。

新市場開拓や事業拡大では、既存の設備事業に太陽光発電の運用や売電事業を組み合わせることで収益の複線化を図るとともに、改修や省エネニーズの高まりを捉えてリニューアル市場を積極的に開拓しています。顧客層は建物所有者や管理組合、建設会社、公共施設など既存の関係先を深掘りすると同時に、建築や電気を含めた提案で新規案件の取り込みを狙っています。地域社会への貢献やサステナビリティ対応も成長の柱と位置づけ、地域密着での信頼獲得を通じて事業を拡大していきます。

技術革新への取り組みとして、同社はデジタル技術を使ったビルケアの標準化・省力化に投資しています。具体的には情報共有基盤の整備や作業手順の標準化による生産性向上、遠隔監視やデータ活用による故障予防とメンテナンスの効率化を進める計画です。また、技術伝承と人材育成に重点を置き、若手技術者への教育投資や技能の継承で「技術力と人材を備えるトータルエンジニアリング集団」を育成することで、持続的な競争優位を確立することを目指しています。