インテグループJP:192A

インテグループは、中小企業を中心としたM&A仲介を主力とする企業で、創業以来、事業承継や経営課題の解決を目的にワンストップの仲介サービスを提供しています。初期相談から企業価値の査定、買い手の選定・交渉、デューデリジェンスの手配、最終契約・クロージングまで一貫して支援しています。

同社の主要な顧客は、事業売却を希望する中小企業の経営者と、企業買収を行う企業群であり、案件成約時の成功報酬が収益の大半を占めます。着手金や中間金を取らず、成約時のみ報酬を受け取る完全成功報酬制を採用し、最低成功報酬額を比較的低い水準（15百万円）に設定しているため、小規模案件での価格競争力を持っています。

同社は事業を単一のM&A仲介セグメントで展開し、主な業務はソーシング、案件化、買い手への提案、マッチング・実行の各プロセスに分かれています。各案件は原則としてコンサルタント1名が最初から最後まで担当し、広告や直接営業による案件開拓に加え、金融機関等との提携強化にも力を入れている点が特徴です。

インテグループは、完全成功報酬制のM&A仲介に特化することで「年間成約組数で業界第1位」という明確な成長目標を掲げています。同社は最低成功報酬を15百万円に設定することで小規模案件（譲渡金額300百万円以下）での競争力を確保し、2025年5月期の実績では売上高1,892百万円、成約43組、1組当たり売上44百万円という基盤をもとに、成約組数と売上高の持続的拡大を目指しています。

重点投資分野としては広告投資の拡大と直接提案型の営業強化（ダイレクトメールや電話での働きかけ）を挙げており、金融機関とのネットワーク強化にも注力しています。同社は完全成功報酬制という料金体系と低い最低金額を差別化要因と位置づけ、PEファンド向けのウェブメディア「PEファンド.JP」を運営してPE関連案件を増やすなど、案件の質と量の両面で他社と差をつけようとしています。

新市場開拓や事業拡大については、問い合わせルートと人的紹介、金融機関からの紹介をバランスよく活用する戦略をとり、買い手情報リサーチチームを2025年2月に本格稼働させるなど買い手側の開拓を強化しています。人材面では最大40％超のインセンティブを提示し、入社後約2か月の集中研修と実案件でのOJTを通じて早期戦力化を図ることで、コンサルタント数の増加と1人当たりの成約回復を進め、長期的にはネットワークソーシングを中心に成約率の向上を目指しています。

技術革新への取り組みでは、顧客管理システムや顧客開拓の自動化ツールを導入して営業プロセスの効率化を進めています。これにより案件情報の共有や営業プロセスの可視化を図り、コンサルタント間のノウハウ伝承や成約率改善に結び付ける計画です。さらに、内部のプロセス・成果管理体制の強化と情報管理の研修実施により、透明性と信頼性の高い業務運営を目指しています。