イタミアートJP:168A

時価総額
¥19.3億
PER
5.3倍
SP商材の企画・制作・EC販売を手掛けるBtoB向けEC事業の有力企業。のぼり旗・横断幕・冊子等を扱う『キングシリーズ』18サイトと自社開発の受注・製造管理システムを展開。2025年2月に主要サイトがGoogle自然検索で複数キーワード1位獲得。日本全国で展開。

事業内容

イタミアートは、「IT×モノづくり」を掲げ、のぼり旗、横断幕、冊子などの販促物を自社で企画・製造し、主に企業向けにインターネットを通じて販売する事業を展開しています。同社は受注から制作・出荷までを自社開発のシステムで一貫管理し、短納期・低価格・安定した品質の提供を目指しています。

主要な顧客は飲食店、小売店、広告代理店などの法人で、日常的に使う小口注文やリピート注文が多いのが特徴です。同社の売上構成はEC販売が約67%、卸販売が約33%(2025年1月期)で、主要サイトでは既存顧客のリピートが約75%を占めており安定した収益基盤を確立しています。

事業はSP商材の企画・制作・販売の単一セグメントで、主力のECサイトに「のぼりキング」「横断幕・懸垂幕キング」「冊子製本キング」など計18サイトがあります。同社は受注管理や製造管理の自社システムと検索対策やWEB広告による集客を組み合わせ、1枚からの小ロット対応や短納期出荷、自動化による効率化で業務の拡大を図っています。

経営方針

同社は「商売繁盛応援企業、日本一!」を掲げ、EC(インターネット通販)に特化したSP(販促)商材の拡充で成長を図っています。現在の売上構成はEC販売が約67%、卸販売が約33%で、既存顧客のリピートが約75%を占める安定した収益基盤を有しています。外部環境としてBtoB向けEC市場は急拡大しており(2023年は約465兆円、EC化率40%)、同社が属する印刷通販分野のEC化率はまだ約7.8%と余地が大きいため、取引件数(トランザクション数)と平均客単価という二つの指標を高めることで市場シェア拡大を目指しています。

重点投資分野として同社は商品ラインナップと集客力の強化を挙げています。のぼり旗や横断幕、冊子に加えノベルティー等の新商品を開発し、現在運営する18サイト間でのクロスセルを推進することで顧客当たりの購入額を引き上げます。集客面では検索対策やウェブ広告、独自の顧客データベースを活用したメールやダイレクト施策で成約率とリピート率の向上を図り、少量多品種・短納期という「安価で速い」提供を差別化要因として強化しています。

新市場開拓では、中堅・大手企業へのアプローチと利便性向上が柱です。同社はブラウザ上でデザイン作成から発注まで完結する仕組みの対象商品を拡大し、入稿データ自動チェック機能やキャンペーンでデータ不備や納期不安を減らす施策を進めています。これにより小規模事業者から大企業まで幅広い顧客層を獲得し、リピートと受注単価の増加で事業規模を拡大する計画です。必要に応じて設備更新や人材確保のために株式発行等を含む資金調達も検討しています。

技術革新については、自社開発の製造管理システム「i-backyard」を中核に据え、裁断・縫製・たたみ・梱包などの工程の自動化を進めています。受注から出荷までの工程を一貫してシステム化することで、多品種・小ロット大量件数に対する正確で短納期の対応を可能にし、オペレーションコストを抑制しています。さらにシステム稼働の安定化とサーバー増強、情報管理体制の強化や社内教育にも投資を続け、事業拡大に耐えうる運用基盤の確立を目指しています。