ダイブJP:151A

時価総額
¥54.9億
PER
10.2倍
観光HR事業と地方創生事業の有力企業。リゾートバイト特化の人材派遣・有料職業紹介とグランピング「ザランタン」を展開。GLAMPICKSは2019年8月運営開始、2024年3月・4月に滞在型アウトドアホテル開業の実績。日本全国で人材供給、グランピングを全国6ヶ所で運営(2025年9月現在)。

事業内容

ダイブは、リゾートバイトに特化した人材サービスと地方での宿泊運営を主力とする企業です。同社は全国のリゾートホテルや旅館、飲食店、テーマパーク等に短期滞在型のスタッフを派遣するとともに、グランピングや滞在型アウトドアホテルの企画・運営を行っています。

主要な顧客は宿泊施設や観光施設、地方公共団体などで、同社は派遣料金や有料職業紹介の紹介手数料、さらに宿泊収入やメディア掲載料などで収益を上げています。観光HR事業が売上の約98%を占めており、地方創生事業は宿泊やパートナー契約を通じた収益が中心です。

事業は観光HR事業と地方創生事業に分かれており、観光HR事業では登録者との面談や独自データベース、ITを活用した事務効率化で都市部の若者と地方の求人をマッチングしています。地方創生事業では「ザランタン」ブランドのグランピングや低価格帯の宿泊施設を非観光地を中心に開発・運営し、自社サイト「GLAMPICKS」や人材ネットワークを活用して集客と人員確保を図っています。

経営方針

同社は観光HR事業と地方創生事業を成長の柱とし、売上高および営業利益の拡大を最重要目標としています。現在、観光HRが売上の約98%を占め、取引先は5,900ヶ所超、グランピングやホテルは全国6ヶ所を運営(2025年9月時点)といった事業基盤を持っており、これらを基に就業者数の増加と就業者1人当たりの売上拡大を主要なKPIに据えて成長を図る方針です。政府の訪日旅行拡大期待等を追い風に、安定的な収益基盤の構築を目指しています。

同社は顧客・人材の獲得に重点投資を行い差別化を図っています。若年層向けには調査で85.5%がリゾートバイトを知らないことを踏まえ、LINE友だち数を活かしたプロモーション強化やSEO施策、ホームページの継続的な改修・コンテンツ充実などに広告投資を集中させています。一方でシニア比率は2012年0.78%から2025年6.7%へ上昇しており、50歳以上や外国人人材(インドネシア、韓国、ネパール等)向けには海外送り出し機関10カ国35社との連携や多国籍チームによる採用強化で対応することで、幅広い人材層の確保を図っています。

非観光地での事業開発や既存施設の拡大を通じた新市場開拓にも積極的です。空き施設・遊休地を活用してグランピングや低価格帯の宿泊施設を増やし、既存施設では客室増設やクラフトホテルの運営拡大を進めることで季節変動の平準化を狙います。さらに、観光HRで築いた5,900ヶ所超の取引先へ地方創生で開発したサービスをクロスセルすることで、一施設当たりの収益最大化を目指し、M&Aや資本業務提携も積極的に検討して事業領域を拡大しています。

同社は業務効率化と技術革新を経営の重点施策と位置づけています。求人から就業管理までを一元化する業界特化型ツール「ハッサク」(特許出願中)を開発し、紙や表計算に依存する現場をデジタル化するほか、業務自動化やAI導入で採用コストや人件費上昇の抑制に取り組んでいます。加えて、寮を単なる宿泊施設ではなく地域の交流拠点として再定義する取り組みなど、技術と運営ノウハウを組み合わせて生産性向上と地域価値の創出を同時に進めていく方針です。