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ニッソウJP:1444
事業内容
ニッソウは住宅・不動産に関する総合サービスを手がける企業で、主力はリフォーム、不動産流通、不動産建設の三本柱です。主に住宅の原状回復やリノベーション、物件の売買仲介、注文住宅や建売住宅の供給を事業領域としています。
同社の主な顧客は賃貸オーナーや不動産仲介業者、住宅購入を検討する個人で、工事の受注売上、仲介手数料、土地・建物の売買差益など複数の収益源で成り立っています。地域ごとに専門性を持たせ、首都圏でのリフォーム収益、湘南エリアでの流通収益、関東(主に栃木)での建設収益を重視しています。
事業セグメントは明確に分かれており、リフォーム事業では退去に伴う原状回復や入居中のメンテナンス・清掃といった施工管理を行っています。流通事業は物件の売買・仲介・買取再販が中心で、建設事業は注文住宅・建売・住宅用土地の提供を手がけており、それぞれ地域特性に応じた営業展開を行っています。
経営方針
同社は「名実共に日本一のリフォーム会社を目指しています」と明確な長期目標を掲げ、着実な安定成長を志向しています。具体的には売上高と売上総利益を主要な経営指標に位置づけ、リフォームでの工事受注件数や新規顧客数、不動産流通での成約件数や平均保有期間、建設事業での受注住宅件数や分譲・建売の販売件数といった具体指標の改善を通じて数値目標の達成を図る計画です。社員が一顧客を一貫して担当する体制を重視しており、人員増加が直接的に売上成長につながるとの認識から、採用と育成を成長施策の中核に据えています。
重点投資分野は人材と品質管理で、採用活動の強化や勉強会・知識共有を通じたスキル向上、若手のリーダー登用など具体的な人材投資を進めます。施工品質向上のためにマナー教育や施工管理の徹底を継続し、各工事分野の専門施工会社から成る施工ネットワークの確保・拡充を進めることで差別化を図っています。加えて内部管理体制やコーポレート・ガバナンスの強化を進め、コンプライアンスに配慮した管理体制で事業リスクに対応する方針です。
新市場開拓では地域依存リスクの低減を重視しており、首都圏集中からの脱却を目指して営業拠点の拡大を進めています。すでに神奈川県高座郡や横浜市、埼玉県さいたま市・朝霞市、千葉県船橋市、東北の仙台市に営業所を設置し、首都圏を中心に営業活動を強化しています。流通事業は子会社の日本リゾートバンクを中心に湘南エリアで展開し、M&Aを通じた新エリア展開を検討、建設事業は平成ハウジングを通じて栃木県那須塩原市から隣接地域へと事業エリアを拡大する計画です。
技術革新への取り組みは、現場での施工技術と営業力の両面を強化することに重点を置いています。施工プロセスの標準化や品質管理手法の導入により生産性と品質の両立を図るとともに、環境意識の高まりに応じて省エネ・環境配慮型の工法や材料の導入を検討しています。加えて、慢性的な建設技能労働者不足や2024年4月からの時間外労働上限規制、原材料コスト上昇といった外部環境に対応するため、施工ネットワークの拡充や内部統制の強化を通じて事業の安定性を高めていく方針です。