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ウエストホールディングスJP:1407
事業内容
ウエストホールディングスは、再生可能エネルギーを中核に事業を展開する持株会社です。同社は公共・産業用の太陽光発電の設計・施工・販売・保守運用(O&M)や、省エネサービス(ウエストエスコ)、系統向け蓄電所の開発・販売、発電および電力販売を主力事業としています。
同社の主要顧客は自治体や企業などの公共・産業分野で、工場や商業施設、電力卸事業者などにサービスを提供しています。収益は太陽光発電所の請負や開発・売却、発電した電力の販売、ESCOによる省エネ契約、O&Mの保守収入、蓄電設備の販売といった複数の柱から成り立っています。
事業セグメントは再生可能エネルギー、蓄電所、省エネルギー、電力、メンテナンスの五つに分かれており、各分野に専門の子会社を配置しています。具体的には自家消費向けの太陽光の請負(EPC)や非FIT案件の開発・販売、系統用バッテリーの開発・販売、省エネのトータルサービス、グリーン電力の発電・卸売、太陽光設備の総合的な保守管理を手掛けています。
経営方針
ウエストホールディングスは再生可能エネルギーを核に「トータルエネルギーマネジメントの創造」を掲げ、企業価値の向上を目指しています。同社は日本一のファブレス再生エネルギー電力会社を目指しており、ROE(株主資本利益率)の上昇を重視するとともに、売上高営業利益率を継続的に10.0%以上確保する方針です。短期の数値目標としては2026年8月期に営業利益率20.9%(2025年8月期実績18.3%)を掲げ、今後3年間で営業利益を前期比20%増にすることを目指しています。
同社は太陽光発電のEPC(設計・施工・請負)を基軸に、発電所販売によるフロー収益とO&M(保守運用)やグリーン電力供給によるストック収益の両輪で差別化を図っています。地域密着の営業基盤として全国の提携地方金融機関からの情報を活用し、設計・提案のIT化で提案の質とスピードを高めることで、顧客の多様化するニーズに最速で応える体制を整えています。この結果、単発の発電所売却に頼らない、安定した収益構造の構築を目指しています。
新たな成長軸として同社は系統用蓄電所(グリッド向けバッテリー)事業に経営資源を大きく振り向けており、これを主要な成長ドライバーに育てることを目指しています。今年度は中規模蓄電所で10か所・約57億円の販売実績があり、来年度は30か所・約180億円の売上を見込むなど事業拡大を想定しています。併せて自家消費型太陽光や非FIT(固定価格買取制度外)モデルの拡充、メンテナンス契約の拡大、ウエストFITを活用したグリーン電力供給力の拡大により、資産を増やさずに将来的な調達電源を大幅に増やす計画です。
技術革新面では、設計・提案のデジタル化や運用の高度化によってO&Mの品質と効率を高める取り組みを進めています。同社はエスコ事業で設備を「所有する」から「利用する」へ移行させるモデルを推進し、蓄電池や冷凍冷蔵設備の温度制御システムなど対象商材を順次追加して省エネ効果を拡大することを目指しています。また、補助金や長期脱炭素電源オークションといった政策支援を活用しつつ、効率的な施工体制と高品質な保守運用を両立させることで競争優位を強化していきます。