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イナリサーチ (E20922) 株価
株価・出来高の推移
時価総額の推移
PERの推移
PBRの推移
事業内容
イナリサーチは、医薬品の安全性評価を支援する受託試験事業を主力とする企業です。同社は実験動物や細胞を用いて、新薬候補物質の毒性や有効性を確認する非臨床試験を医薬品開発企業から受託しています。厚生労働省令で定められたGLP基準に適合した施設として、新薬承認申請に必要な試験データを提供しています。
同社の収益の柱は医薬品開発企業、食品関連企業、大学などの研究機関からの受託試験業務です。単回・反復投与毒性試験、生殖発生毒性試験、遺伝毒性試験などの安全性試験に加え、薬効薬理試験や薬物動態試験も手がけています。試験期間は数か月から長期にわたり、最終的な試験報告書の提出まで一貫してサポートする体制を整えています。
同社は「受託試験」と「環境」の2つの事業セグメントで構成されています。環境事業では、長年の実験動物施設運営で培った空気環境対策の技術を活用し、製薬会社や大学向けに脱臭装置や殺菌装置の設計・販売を行っています。また、食品業界向けには感染症対策に有効な微酸性電解水生成装置を提供し、研究施設の設備更新需要に対応した実験動物用機材の販売も展開しています。
経営方針
イナリサーチは2024年度を最終年度とする中期経営計画において、海外市場開拓と国内創薬ベンチャー支援を軸とした成長戦略を推進しています。同社は2023年3月期の業績予想として売上高43億2800万円、経常利益3億5000万円、当期純利益2億9800万円を掲げており、国内外のバランスの取れた事業成長を目指しています。既存顧客との関係を維持しながら、グローバル市場でのプレゼンス向上と事業提携先との関係強化により、充実したサービス網の構築に取り組んでいます。
同社の重点投資分野は遺伝子治療薬試験の強化です。信州大学との共同研究により設立された遺伝子・細胞療法研究開発センターを核として、遺伝子治療薬・治療法の分野で業界有数の地位確立を狙っています。国立研究開発法人日本医療開発機構からの追加投資により、遺伝子可変試料等の取り扱い能力が向上し、この分野でのノウハウ蓄積が加速することが期待されています。また、既に競争優位を確立しているSEND事業に加え、デジタルトランスフォーメーション分野での新たなビジネス創出にも注力しています。
新市場開拓では、SEND受託サービスと海外代理店事業が順調な売上拡大を見せており、同社はこれらを環境事業に続く第三、第四の柱事業として育成する計画です。アジア圏における創薬拡大を背景に、海外市場での受託試験需要獲得を積極的に進めています。環境事業においても、新規取扱製品の導入やコストダウン対策により、研究施設の更新需要に対応した売上拡大を図っています。
技術革新への取り組みとして、同社は自動化・省力化による生産性向上を重要課題として位置づけています。労働集約的な非臨床試験業務において、自動化やシステム化可能な業務を切り出し、積極的な設備投資により効率化を推進することで、品質の安定確保と従業員満足度向上の両立を目指しています。また、国際情勢の流動化を受けて、エネルギーや試験資材の安定確保対策として、代替エネルギーの自力確保や大動物の安定調達ルート確立にも取り組んでいます。