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のと鉄道【JP:E04142】株価
株価の推移
出来高の推移
PERの推移
PBRの推移
時価総額の推移
事業内容
のと鉄道は、石川県の能登半島で地域密着型の鉄道事業を主軸に展開している企業です。同社は七尾駅から穴水駅までの33.1キロの路線を運行し、8つの駅を結んで地域住民の生活の足と観光客の移動手段を提供しています。現在は9両の車両を保有し、このうち2両は観光列車として特別な体験を提供しています。
同社の顧客は地域住民と観光客の双方で構成されており、収益は鉄道事業が中心となっています。2025年3月期の収入構成を見ると、鉄道事業が約69%を占める主力事業です。残りの収入は物品販売業が約29%、国内旅行業が約2%となっており、鉄道事業を補完する役割を果たしています。
同社は鉄道事業以外にも複数の事業を展開しており、穴水駅で国内旅行業を営業し、旅行商品の企画・販売を手がけています。また、穴水町からの委託を受けて物品販売業として穴水町物産館「四季彩々」を運営し、地域の特産品販売を通じて地域振興にも貢献しています。さらに、冬期限定で穴水駅構内での飲食業も展開していますが、2024年の能登半島地震の影響で現在は営業を中止している状況です。
経営方針
のと鉄道の経営戦略は、地域密着型の公共交通機関として安全・安定運行を最優先に掲げながら、複数の増収施策を通じて収益基盤の強化を図っています。2024年の能登半島地震からの復旧を完了し、現在は七尾・穴水間の全線で運行を再開していますが、沿線人口の減少や少子化という構造的課題に加え、震災による人口流出や観光客減少という新たな困難に直面しています。同社は地域の基幹交通としての役割を果たすため、関係団体と連携して地域復興を支える戦略を推進しています。
重点投資分野として、同社は地域との連携強化とコンテンツツーリズムを活用した差別化戦略に注力しています。具体的には沿線自治体や周辺企業に対する通勤利用の積極的な呼びかけを行い、安定した利用者層の確保を目指しています。また、地元園児とのタイアップや地域イベントとの連携を通じて「マイレール意識」の向上を図り、地域住民の愛着と利用促進を狙っています。さらに、アニメなどの撮影地としてのPR活動やラッピング車両の運行により、若年層や遠方からの観光客誘致にも力を入れています。
新市場開拓では、体験型観光の強化が重要な柱となっています。同社は列車体験運転の実施により、鉄道ファンや家族連れをターゲットとした新たな収益源の創出を図っています。特に注目すべきは「震災語り部列車」の運行で、これは能登半島地震の経験を防災教育や復興支援の観点から発信する独自の取り組みです。この施策は社会的意義と収益性を両立させる戦略として、同社の差別化要素となる可能性があります。
技術革新への取り組みについては、老朽化した設備の維持・更新に国等の補助金を積極的に活用し、効率的な設備投資を推進しています。同社は県や地元市町との連携を深化させ、公的支援を最大限に活用した財務基盤の安定化を図っています。震災復旧費用や設備更新費用の負担軽減により、限られた資源を増収施策や安全性向上に集中配分する戦略を取っています。厳しい経営環境下でも持続可能な事業運営を実現するため、公民連携による経営安定化が同社の重要な戦略要素となっています。