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ジョイフルJP:9942
事業内容
株式会社ジョイフルは、洋食メニューを中心としたファミリーレストランを国内外でチェーン展開しています。同社グループは親会社と子会社合わせて多数の事業会社で構成され、国内の直営店運営に加えて海外や地域特化型の店舗運営も行っています。
主要な顧客は外食利用をする一般消費者で、ファミリー層や地域の常連客が中心です。同社の収益は直営店の飲食売上が基盤で、加盟店からの加盟金や継続的な手数料、冷凍食品の販売、情報サービスや保険代理業など複数の収益源で構成されています。
事業セグメントは、国内の洋食レストラン事業、台湾での海外レストラン事業、関西地区でのうどん専門店事業に分かれています。加えて、情報サービスを担う共有部門や冷凍食品販売、保険代理業を行う子会社を通じて、店舗運営以外の付帯事業も展開しています。
経営方針
同社は中長期的に「地域で一番身近なレストラン」を目指しており、その実現に向けて収益性と生産性の改善を主要な成長目標としています。具体的には「総資本経常利益率」「売上高経常利益率」「労働生産性」「株主資本当期純利益率」といった経営指標の改善を重点に据え、出店と新業態の開発で売上基盤を拡大することでこれらの数値向上を図っています。人口減少や消費環境の変化に対応するため、地域密着型の店舗作りを続けることが同社の基本戦略です。
重点投資分野としては商品開発と現場の品質向上に資源を集中しています。同社は多様化する生活様式や地域ごとの味の嗜好に合わせた新商品開発と既存商品のブラッシュアップを進めるとともに、店舗での調理・提供工程の最適化で「お値打ち感」を高めています。人材投資では社員教育施設「ジョイフルカレッジ」を活用し、模擬店舗を使った実践研修で接客と調理の質を高める施策を継続しています。
新市場開拓や事業拡大では国内の出店に加え、海外(台湾など)や地域特化型事業(関西地区のうどん店など)を展開し、多角的な収益源を築いています。同社は社員独立フランチャイズ店舗の拡大や自社工場による冷凍食品の外部販売、テイクアウト・デリバリーの強化を進めることで直営売上に依存しない収益構造を目指しています。また、営業時間の見直しや不採算店舗の退店、地域子会社の管轄統合など管理面の効率化を進め、財務面では金融機関との連携で安定した資金調達に努めています。
技術面では顧客利便性と業務効率化を両輪で推進しています。スマートフォン専用の「ジョイフルアプリ」を充実させ、店内でのQRコード注文や店頭でのQR決済をジョイフル全店に導入済みとするなどデジタル化を加速しています。これらの取り組みは注文から決済、厨房の作業負担軽減までをつなぎ、労働生産性の向上と顧客の利便性向上の双方につながることを同社は目指しています。