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北海道中央バスJP:9085
事業内容
北海道中央バスは北海道内で路線バスや貸切バスの運行を中心に、観光施設運営や不動産賃貸なども手がける総合的な交通・観光事業会社です。同社はバスの運行管理や乗務員研修、車両整備・燃料調達などをグループで連携して行い、旅客輸送を中核に事業を展開しています。
主要な顧客は地域の通勤・通学利用者や観光客、企業や団体の貸切利用者で、運賃収入が売上の柱となっています。同社は運賃に加え、観光施設の入場料やホテル・飲食の収益、不動産賃貸料、バスターミナルでの物販など複数の収入源を持ち、季節や観光需要によって収益が変動します。
事業は旅客自動車運送、建設、清掃・警備、不動産、観光関連、その他の事業に分かれています。同社の旅客部門は路線運行と貸切・旅行業を手がけ、観光関連はスキー場やホテル・観光施設の運営を含み、その他では公衆浴場、介護事業、教習所、物販や保険代理などをグループ会社と連携して運営しています。
経営方針
同社はグループ17社体制を生かし、旅客輸送を中核に収益基盤の強化と企業価値の向上を目指しています。令和7年5月末時点で「第二の創業」と位置づけた経営改革対策本部を設置し、中長期的には総資産の効率的運用と売上高営業利益率の改善を目標に掲げています。コロナ禍で落ち込んだ需要からの回復を踏まえ、安定したキャッシュフロー確保と収益多角化によって持続可能な成長を図ろうとしています。
重点投資分野は旅客輸送の安全確保と人材確保、観光関連施設および不動産の有効活用です。同社は「人命尊重・安全最優先」を掲げて乗務員研修や車両整備に投資するとともに、乗務員確保・定着のための待遇改善や働きやすい職場づくりに取り組んでいます。観光面ではニセコアンヌプリ国際スキー場や小樽天狗山、砂川ハイウェイオアシス館といった既存資産を連携運営し、施設運営収益や賃貸収入の拡大を通じて差別化を図っています。
新市場開拓や事業拡大では、インバウンド回復の追い風を活かして観光の通年化を目指す戦略を明確にしています。具体的にはニセコで温泉宿とスキー場を一体運営して夏季集客を強化し、小樽ではSNSを活用した情報発信で映画ロケ地効果を取り込みます。また、清掃・警備や建設分野では新規物件獲得や自治体との連携を進め、地域公共交通の維持では自治体と協働しつつ、需要が見込まれる既存路線に経営資源を重点投入する方針です。
同社はデジタル化(DX)とICT活用による業務効率化を進めています。経営資源としての情報と人材を活用し、予約・決済のデジタル化、車両のテレマティクスによる燃料・整備管理、運行計画の最適化や遠隔研修の導入などを通じて生産性向上を目指しています。これらの技術的取り組みで人手不足とコスト上昇に対応し、揺るぎない事業体質の構築を進めることを同社は目標としています。