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中道リースJP:8594
事業内容
中道リースは企業向けに設備のリースや割賦販売、融資、不動産賃貸などを行う総合リース会社です。 同社は機械設備や商業設備、土木建設機械、輸送用機器といった物品を賃貸や分割払いで提供し、導入時の資金負担を軽減するサービスを中心に展開しています。
主要な顧客は病院・医療機関、建設会社、物流業者、商業施設運営会社など法人が中心で、個別のニーズに合わせた取引が多いです。 同社の収益はリース料や割賦の回収、貸付利息、不動産の賃料が柱で、子会社による医療用品販売や施設管理サービスも安定した売上源になっています。
事業セグメントは大きく「リース・割賦・営業貸付」「不動産賃貸」「その他(ヘルスケア支援)」の三つに分かれています。 リース・割賦では顧客と供給者の間で機器を調達して契約後に継続的な支払いを受け取り、不動産では自社所有や借地、転賃貸など複数のスキームで商業施設を賃貸し、その他では子会社が医療機器・消耗品の販売、施設の警備・清掃、医療向けシステムや訪問介護・介護タクシーといったヘルスケア関連サービスを提供しています。
経営方針
同社は中期経営計画「NL Build‑Up!2023‑2025」に基づき、「質の向上」と「堅実経営」を両輪に成長を図っています。具体的には2025年度に営業資産を約1,300億円に維持しつつ、営業資産経常利益率(ROA)を1.0%、経常利益を13億円程度まで高めることを目指しています。そのため与信管理の強化や拠点ごとの収益構造転換を進め、安定的な収益基盤の構築を重視しています。
同社は重点投資分野として医療機関向け設備、建設機械、物流や商業施設向けの機器といった分野に注力しています。地域に根差した営業力と創業以来50年超で培った顧客基盤を武器に、顧客の業界事情に応じた提案型の融資・リースを行うことで差別化を図っています。具体策としては物件や業界の知見を生かした審査・提案体制の強化と、貸倒発生を抑えるための社内連携の徹底、建設機械の仕入販売開始などで収益性を高めることを狙っています。
新市場の開拓では、北海道における半導体関連投資など地域ごとの設備投資拡大を取り込みつつ、子会社を通じた医療用品販売や施設管理、訪問介護・介護タクシーといったヘルスケア領域の拡充で収益の多角化を図っています。既存顧客への外販・割賦・融資のクロスセールや、地域密着による新規法人開拓を通じて、営業資産の質を高めながら着実な事業拡大を目指しています。
同社は業務効率化と技術導入にも積極的に取り組んでいます。社内システムの刷新により多様な金融ニーズに対応可能にするとともに、人工知能(AI)などを活用した審査・事務処理の自動化で経費削減を図っています。加えて資金調達面では投資適格格付取得やサステナビリティ・リンクローンの活用を検討し、資金原価の抑制と環境・社会への配慮を両立させることを目指しています。