信金中央金庫JP:8421

時価総額
¥1.47兆
PER
42.2倍
預金・融資・市場運用などの金融サービスの最大手。証券業務、決済・トレーディング、信託、消費者信用保証、投資・M&A仲介を展開。信用金庫の中央金融機関としてセーフティネットを運営。連結子会社9社体制、2025年3月31日現在のグループ構成。国内中心に展開。

事業内容

信金中央金庫は、信用金庫の中央金融機関として預金業務や融資、債券発行・市場運用、決済、信託などの基本的な銀行業務を中心に幅広い金融サービスを手がけています。グループは本体と連結子会社9社で構成され、証券業務や地域商社、海外ビジネス支援、保証、投資運用、投資・合併買収仲介、データ処理なども行っています。

同社の主要な顧客は全国の信用金庫で、信用金庫向けの機能補完や業界向けのセーフティネット運営を通じて地域金融を支えています。収益は預貸金の利ざやが基盤となり、証券や市場運用による利得、手数料収入(証券仲介、保証、投資運用、仲介業務など)が加わることで構成されています。

事業の柱は本体の銀行業務とグループ各社が担う専門サービスに分かれます。具体的には預金・融資・債券・決済・信託といった伝統的な業務に加え、証券売買や投資運用、消費者信用保証、地域産業支援、海外支援、投資・M&A仲介、データ処理受託など多様な商品・サービスを提供しています。

経営方針

同社は中期経営計画「SCBストラテジー2025」(2025〜2027年度)を通じて、2030年に「信用金庫とともに一つの金融グループとして地域経済社会の成長を牽引する」姿を目指しています。財務面では中期的な当期純利益目標を親会社株主帰属で450億円程度に設定し、2025年度は経常利益550億円、当期純利益400億円、自己資本比率は20%台を想定しています。リスクアペタイト・フレームワークを用いて収益・リスク・資本のバランスを管理し、ポートフォリオの質向上と投融資の推進で中長期に安定した収益確保を図ることを狙いとしています。

同社は信用金庫の経営基盤強化を最重要分野と位置づけ、個々の信用金庫に合わせた経営コンサルティングや役職員の人材育成を強化することで差別化を図っています。具体的には信用金庫のミドル・バック業務を集約・効率化してフロント業務への注力を可能にする体制整備、専門家や外部機関と連携して適正対価を得る良質な商品・サービスを提供すること、資金調達手段の多様化や市場運用力の強化により収益基盤を安定化させる施策を進めています。

同社は地域の持続可能性向上に向けて、新市場の開拓や事業拡大にも取り組んでいます。グループの証券業、地域商社、海外ビジネス支援、保証サービス、投資運用、合併・買収仲介、データ処理などの機能を活用し、信用金庫と連携して中小企業や地域課題の解決に資する実効性の高いソリューションを提供する計画です。外部専門機関との協働や商品・サービスの利活用促進を通じて手数料収入の拡大を目指し、中央金融機関としての安全網機能を一層強化していきます。

同社は技術革新を生産性向上の柱と位置づけ、業務のデジタル化と処理集約による効率化に積極投資しています。2025年度にはミドル・バック業務の集約を進める一方で、データ処理基盤や市場運用のシステム強化、人材への教育投資を進めることで業務の自動化・標準化を進め、限られた人的資本で専門的な業務に対応できる体制を整備することを目指しています。