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大研医器JP:7775
事業内容
大研医器は、研究開発型の医療機器メーカーであり、主に麻酔関連と病院内感染防止関連の製品を企画、開発、製造、販売しています。同社は親会社や子会社を持たず、独立した企業として活動しています。製品開発においては、医療現場のニーズを直接聞き取り、独創的な技術を駆使して製品化することを基本理念としています。
同社の製品は5つの製品群に分類されます。まず、吸引器関連では、手術室や集中治療室で使用される非電動式の真空吸引器を提供しています。主な製品には、フィットフィックスやキューインポットがあります。これらは感染予防の観点から、使い捨てのプラスチック製容器を採用しています。
次に、注入器関連では、手術後の痛みを軽減するための加圧式医薬品注入器を提供しています。シリンジェクターやバルーンジェクター、PCA装置、エイミーなどが主な製品です。これらは電気を使用せず、患者の生活の質向上を考慮した設計となっています。
電動ポンプ関連では、極めて微量の薬液を精密に制御しながら持続的に投与するME機器を提供しています。シリンジポンプや輸液ポンプが主な製品で、手術室や集中治療室で使用されます。これらの機器は高精度な薬液投与が可能です。
手洗い設備関連では、医療従事者の衛生的な手洗いをサポートする設備を提供しています。ステリキープⅡやワイペルが主な製品で、無菌水や殺菌水を供給する装置や滅菌済みのディスポーザブルタオルを提供しています。
その他の製品群には、ブレスウォームや気管支ブロッカーチューブ、ダブルルーメン気管支チューブ、ディスポーザブル パルプシステムなどがあります。これらは手術室や処置室での使用を想定した製品で、患者や医療従事者に衛生的で快適な環境を提供します。
経営方針
大研医器は、医療の未来を切り開くことを目指し、革新的な医療機器の開発に注力しています。同社は、医療現場のニーズを直接反映した製品開発を行い、独自の技術を駆使して新たな価値を創造しています。特に、麻酔や手術室関連の製品において、医療従事者と協力しながら需要を創出し、社会に貢献することを経営方針としています。
中長期的な成長戦略として、大研医器は研究開発から製造、販売までを一貫して行い、ISO規格に基づく品質管理を徹底しています。革新性と安全性を重視した新製品の開発を進め、既存製品の市場シェア拡大を図るとともに、海外市場への進出を強化しています。特に、価格競争が激しい海外市場での拡販を目指し、新たな領域への進出を推進しています。
同社は、売上高総利益率と売上高経常利益率を重要な経営指標とし、20%の経常利益率を目指しています。新製品開発においては、研究開発費を抑えることなく、将来の成長に向けた投資を継続し、収益性の向上を図っています。これにより、企業価値の拡大を目指しています。
大研医器は、既存製品の拡充と新製品の開発を優先課題とし、国内市場でのリーダーシップを強化しています。特に、「クーデックエイミーPCA」などのマイクロポンプ関連製品の開発を進め、医療現場でのイノベーションを創出しています。これにより、新たな市場を開拓し、事業の柱を育成しています。
海外市場の拡大も重要な戦略の一つです。大研医器は、欧州市場への展開を最優先とし、MDR認証取得に向けた取り組みを強化しています。海外での製品ラインアップと販売網の拡充を図り、国際競争力を高めることを目指しています。
また、サプライチェーンの高度化を進め、製造コストの低減を図っています。生産効率の向上や原価低減を目指し、データを活用した生産活動の最適化を推進しています。これにより、経営環境の変化に柔軟に対応し、持続的な成長を実現しています。
最後に、優秀な人材の確保と教育の強化を図り、企業価値の向上を目指しています。新卒採用と中途採用を積極的に行い、教育・研修プログラムを刷新することで、競争力を高めています。従業員の給与水準向上や効率的な働き方の実践を通じて、人的投資を強化しています。