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リファインバースグループJP:7375
事業内容
リファインバースグループは、廃棄物を原料に再生資源をつくる素材再生企業グループです。同社は独自の処理技術で使用済みカーペットタイルや漁網・エアバッグ端材などを再資源化し、再生樹脂や再生ナイロンペレット(REAMIDE®)、製鋼副資材といった製品を製造・販売しています。同社は加えて技術ライセンスやコンサルティングを行い、資源循環のプラットフォーム構築を目指しています。
主要な顧客はカーペットタイルメーカーや製鉄所、建設・不動産業界、商社などで、取引は継続的な関係に基づいています。同社は使用済み資材の受け入れ時に処理受託料を得るとともに、再生製品の販売で収益を確保する二本柱の収益構造を持っています。こうした安定した調達と販売の関係により、少人数で効率的な営業体制を維持しています。
事業は「素材ビジネス」と「資源ビジネス」の二つに分かれます。素材ビジネスではカーペットタイルの樹脂部分を分離・粉体化して合成樹脂として供給し、繊維部分は製鋼副資材や他用途へ回すほか、漁網やエアバッグ端材から再生ナイロンを製造しています。資源ビジネスでは首都圏を中心に排出現場からの収集・運搬と自社中間処理を行い、選別・破砕・圧縮を通じて廃プラスチックの調達網を構築し、原料供給を強化しています。
経営方針
同社は「素材再生企業として新しい産業を創出し、社会の持続的発展に寄与することを目指しています」と掲げ、廃棄物を原料とする素材ビジネスと資源ビジネスを二本柱に成長を図っています。具体的には使用済みカーペットタイルや漁網、エアバッグ端材の調達を強化し、リファインパウダーや再生ナイロン樹脂REAMIDE®といった再生素材の販売数量を増やすことで収益基盤を拡大することを目指しています。財務面では利益剰余金の積み増しや借入条件の見直しを通じて強固な基盤を作る方針で、2023年からは新卒採用も開始して人員基盤の整備にも取り組んでいます。
重点投資分野は素材の安定調達と生産能力の増強、ならびに現場からの収集・中間処理設備への投資です。同社は自社独自の分離・粉砕などの処理プロセスを持ち、排出現場から再生樹脂製造までを一貫して行うことで差別化を図っています。環境ラベル(SuMPOの「エコリーフ」「CFP」)を取得した製品を武器に不動産デベロッパーやカーペットタイルメーカーへの提案を強化し、歩留まり向上や生産ライン稼働率の最大化で原価低減を実行する計画です。
新市場開拓では建設、自動車、鉄鋼、アパレルなど既存の需要先を深耕すると同時に、首都圏外での新規取引先開拓や回収拠点の拡大を進める方針です。加えて技術ライセンスやコンサルティングによる資源循環プラットフォームの構築を目指し、廃ガラスや複合繊維、ゴム、食品残渣といった未活用廃棄物の新用途開発にも取り組んでいます。これらにより原料調達の安定化と販売先の多様化を図り、事業基盤の拡大を狙っています。
技術革新では機械的処理(切削・粉砕等)を基礎に、高純度分離による再生ナイロンや混合圧縮成形による製鋼副資材の生産を進めています。三菱ケミカルとの協同で廃プラスチックの油化(化学リサイクル)事業化にも着手しており、幅広い廃プラスチックの再資源化を技術面で後押ししています。加えて日常的な設備保守や補修技術の蓄積、工程標準化とマニュアル化を進めることで生産安定性とコスト競争力の両立を図っています。