フィードフォースグループJP:7068

時価総額
¥164.7億
PER
13.7倍
デジタルマーケティング・Eコマース領域の有力企業。運用型広告代行、データフィード管理SaaS(dfplus.io、EC Booster)、ID連携・LINE配信サービスを展開。連結子会社7社、関連会社1社で構成、2022年6月にデータフィード広告事業を吸収分割で移管。日本国内を中心に展開。

事業内容

フィードフォースグループは、デジタルマーケティングとEコマース領域で、運用型広告の代行、データフィード管理、ID連携などの技術を活用して企業の情報を適切なユーザーに届けることで課題解決や生産性向上を支援しています。主力は広告運用の代行と、企業が商品データを各種媒体向けに最適化するSaaSツールです。

同社の主要顧客は大手企業から中小のEC事業者まで幅広く、広告主や広告代理店とも取引しています。収益は運用代行の受託料、SaaSのサブスクリプション収入、Shopify連携などの導入・開発支援による案件収入が中心です。

事業はプロフェッショナルサービス、SaaS、DXの三つのセグメントで構成されています。プロフェッショナルサービスでは広告運用やデータフィードのアウトソーシング、SaaSではdfplus.ioやEC Booster、ソーシャルPLUSなどのツールを提供し、DX事業ではShopify導入支援や在庫・出荷の自動化サービス(Omni-Hub、Shippinnoなど)でECの業務効率化を支援しています。

経営方針

同社は「『働く』を豊かにする」をミッションに、B2B領域のデジタルマーケティングとEC支援を軸に中期成長を図っています。具体的には2028年5月期に売上高80億円、営業利益30億円、ROE30%超を目標に掲げており、進捗指標として各サービスの利用案件数を重視しています。直近の2025年5月期は売上高43.7億円、営業利益15.9億円で目標に届かなかったものの、株主還元などでROEは33.4%と高水準を確保しており、同社は数値目標達成に向けて収益性と成長のバランスを取る戦略を進めています。

同社は投資の重点を、運用型広告の代行やコンサルティングを行うプロフェッショナルサービス、商品データの最適化やメッセージ配信などを提供するサブスクリプション型のソフト(SaaS)、そしてShopifyを中心としたサイト構築や業務効率化を担うDXの三領域に置いています。差別化の要としては、代理店業務で得たノウハウをSaaS機能に取り込み、企業向けのきめ細かい支援とツールの組合せでワンストップに提供する点を打ち出しています。具体的な施策として、Shopify関連事業を統合するため2025年にリワイアへ資源を集約し、App Unityというアライアンスやシッピーノ、フラクタの子会社化などで製品とサービスのラインナップを拡充しました。

同社は新市場開拓と事業規模の拡大をパートナー連携やM&Aで加速させる計画です。成長領域として小売(リテール)や人材分野に特化型ソリューションを展開し高シェア獲得を目指す一方で、SMB(中小EC事業者)向けにはShopifyアプリや協業モデルで広く普及させる方針です。サービス利用件数は多くで増加が続いており、たとえばdfplus.ioは2021年の175件から2025年は414件、ソーシャルPLUSは309件から467件、Shopifyアプリは2022年の532件から2025年は650件といった伸びを示しており、同社はこれらの拡大を事業成長の原動力と位置づけています。

同社は技術革新にも注力しており、ポストCookie時代や生成型AIの進展に対応するためID連携ソリューションやAIを活用したサービス開発を進めています。具体策としては、共通のデータ基盤を整備して顧客データを横断利用する体制を構築し、生成AIを組み込んだ機能追加や自動化の開発を推進しています。加えて、ベトナムに開発拠点を設けるなどオフショアでの開発力強化や優秀なエンジニア採用・育成にも取り組んでおり、同社はこれらの技術投資で長期的な競争力を高めることを目指しています。