イリソ電子工業JP:6908

時価総額
¥804.8億
PER
17.4倍
オートモーティブ機器、デジタル機器、インダストリアル機器向けに多極コネクタの製造、開発、販売を行う事業。

事業内容

イリソ電子工業は、オートモーティブ機器、デジタル機器、インダストリアル機器向けに、プリント基板接続用の多極コネクタを製造、開発、販売しています。具体的には、基板対基板コネクタ(BtoBコネクタ)、FPC/FFCコネクタ、インターフェイスコネクタなどを手がけています。

基板対基板コネクタは、プリント基板の接続用に開発され、垂直接続や平行接続、水平接続など多様な接続が可能です。FPC/FFCコネクタは、FPC基板やFFCケーブルの接続用で、ZIFタイプやNON-ZIFタイプがあります。

インターフェイスコネクタは、機器間の信号接続を行うもので、カーナビゲーションやPCなどに使用されます。これにより、電源供給や音声・映像信号データの入出力が可能です。

イリソ電子工業は、4つの生産子会社を通じて材料供給と製品製造を行い、製品を供給しています。販売子会社は6社あり、これらの子会社を通じて製品の販売を行っています。

また、イリソ電子工業は、意力速(上海)電子技術研発有限公司に多極コネクタの設計及び設備の研究開発を委託しています。事業は日本、アジア、欧州、北米の各地域に分かれて展開されています。

経営方針

イリソ電子工業は、経営理念として「人の心を尊重し、豊かな価値を創り、社会貢献に努める」ことを掲げています。同社は、顧客の課題解決に全社員の知恵を注ぎ、顧客価値を創造する100年企業を目指しています。2023年4月には「社会やお客様の期待を超える“つなげる”を実現します」という行動宣言を策定し、コネクタを通じて未来を創造することを目指しています。

同社は2035年に向けて、「社会やお客様の期待を超える“つなげる”で成長を続ける企業」と「社会、環境、品質を重視し、社員とステークホルダーが“わくわく”する企業」の2つのビジョンを掲げています。これに基づき、持続的成長を実現するための5つのマテリアリティを特定しました。これには、社会課題の解決と事業成長の実現、モノづくり力の変革、人と環境にやさしい社会への貢献、多様な人財づくり、経営基盤の強化が含まれます。

イリソ電子工業は、車載関連市場の変革を好機と捉え、グローバルでの成長市場への展開を重点戦略としています。顧客ニーズを先取りするマーケティングと顧客密着型営業体制を強化し、製品開発を進めています。また、生産・サプライチェーンの最適化を図り、品質・コスト・納期(QCD)の強化を目指しています。

中期経営計画では、2024年度から2026年度を課題克服と成長軌道への回帰の期間と位置付け、2027年3月期に売上高650億円、営業利益率15%超を目指しています。電動車向けの拡販やECU統合化の流れを掴み、センサー分野やインダストリアル市場を注力分野として推進しています。

同社は「車載のイリソ」から「モビリティのイリソ」への基盤構築を進め、インダストリアル市場のグローバル強化を図っています。生産体制の見直しや設備・金型の標準化を進め、生産性と投下資本効率の向上を目指しています。また、資本コストと株価を意識した経営を強化し、サステナブル経営を深耕しています。