AIメカテックJP:6227

時価総額
¥304.7億
PER
19.1倍
FPD・光学系デバイス、半導体パッケージ製造装置の開発・製造を行う有力企業。インクジェット応用装置、ナノインプリント装置、はんだボールマウンタを展開。連結子会社1社、持分法適用関連会社1社。日本・中国で展開。

事業内容

AIメカテックは、フラットパネルディスプレイや光学デバイス、半導体パッケージ向けの製造装置を自社開発・製造・販売し、導入後の保守まで一貫して対応しています。同社はインクジェット塗布やナノインプリントなどのプロセス技術を組み込んだ生産設備を主力に、次世代ディスプレイや光学部品、半導体の量産ライン向けソリューションを提供しています。

主要な顧客はディスプレイメーカーや半導体メーカー、パネル組立企業などの製造業で、装置の受注を通じて取引を構築しています。同社の収益は装置販売が中心で、導入後の保守・部品供給や改造といったアフターサービスが継続的な収入源になっています。

事業は大きくIJPソリューション、半導体関連、LCD向けの三つに分かれます。同社はIJPで有機ELやマイクロディスプレイ向けの塗布装置やナノインプリント、フィルム応用装置を提供し、半導体分野でははんだボール搭載装置やウエハ処理装置、UVやエッチング装置を製造、LCD向けにはシール塗布、液晶滴下、真空貼合せ装置を扱っています。

経営方針

同社は中期経営計画(2026年6月期〜2028年6月期)で「グローバルニッチトップのポジション確立と、売上高300億円・営業利益率12%・ROE17%以上の達成」を目指しています。直近の実績は2025年6月期で売上210億円、営業利益21億円(営業利益率10.0%)であり、最終年度に向けて売上を約1.4倍、営業利益を約1.8倍に引き上げる計画です。達成のために、収益性の高い製品比率の向上やリードタイム短縮などで利益率改善を図ることを明確な数値目標に置いています。

重点投資分野として、インクジェット塗布やナノインプリントを核とするIJPソリューションと、先端半導体パッケージ向け装置の拡充に資源を集中しています。同社は微細塗布と高精度位置合わせというコア技術を武器に、他社が提供しにくい「材料・装置・プロセスを一体で提案する」ソリューションを差別化要因としています。具体的には既存の装置ラインナップに加え、はんだボールマウンタやパワー半導体向け装置の投入、ウエハ薄板化やボンダー/デボンダーといったハンドリング系の拡充で顧客の工程全体に入り込む戦略です。

新市場開拓では、マイクロディスプレイ(有機ELやμLED)や光学系デバイス向けの設備販売を積極化するとともに、パネルレベルパッケージングや先端メモリ(HBM)向け応用を狙っています。合弁や事業提携を通じた新規事業創出にも取り組んでおり、フラッグシップ企業との取引実績を活用してブランド力を高め、新規顧客の開拓と既存顧客への拡販で売上基盤を拡大する方針です。加えて、装置販売に加え導入後の保守・部品供給・改造といったアフターサービス強化で継続的な収入を確保します。

技術革新面では、プロセス開発センターと2025年12月竣工予定の新組立建屋内クリーンルームを活用し、大学や材料メーカーとの共同研究を推進しています。同社はナノメートルレベルの加工や高精度位置制御などの研究開発に継続投資し、新製品の早期市場投入を狙います。生産面では新工場稼働と業務システム刷新で生産能力・生産性を高め、資産効率(CCC短縮)やリードタイム短縮を通じて収益力向上を実現しようとしています。