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ニッコーJP:5343
事業内容
ニッコーは、住設環境機器、機能性セラミック商品、陶磁器の製造・販売を主力とする企業です。浄化槽の維持管理など保守サービスや、それに関連する物流・サービス事業も手掛けています。
同社の顧客は国内の販売代理店や卸売業者、海外の販売代理店が中心で、国内流通と海外代理店経由の販売で収益を上げています。浄化槽の維持管理など継続的なサービス収入が比較的安定した収益源になっています。
同社は事業を住設環境機器事業、機能性セラミック商品事業、陶磁器事業およびその他に分けて運営しています。住設環境機器では浄化槽の製造・販売と維持管理を行い、機能性セラミックでは産業向けのセラミック製品を製造・販売しています。陶磁器は国内で製造・販売するとともに米国の連結子会社や東南アジアの関連会社を通じて海外販売を展開し、廃棄ボーンチャイナを再利用した肥料の製造・販売も行っています。
経営方針
同社は住設環境機器、機能性セラミック商品、陶磁器の三本柱を軸に、安定した保守収入と製品販売の両輪で中長期成長を図っています。2025年3月期を初年度とする3ヶ年中期経営計画を策定しており、国内の単独処理浄化槽約335万基を対象に合併処理浄化槽への転換需要を掘り起こすことで、市場シェアの拡大と継続的なサービス収入の増加を目指しています。さらに「かけがえのないブランドになる」というビジョンの実現に向け、ブランド価値の向上と収益性改善を並行して進めています。
重点投資分野は水処理と住宅向けの付加価値製品、そして機能性セラミックの高付加価値化です。浄化槽では2020年に投入した業界一省エネの小型製品を軸に営業マネジメント強化とウェブサイト改訂で販売を拡大し、産業排水処理や自社ディスポーザー「CIALAC®」では開発強化と開発型営業で差別化を図っています。バスルーム事業では高付加価値ブランド(バンクチュール®)のコンテンツ発信や専用商品の展開で富裕層向け需要を取り込み、製品の品質・納期で他社と差をつける戦略を取っています。
新市場開拓では海外代理店網の拡大と非住宅分野への展開を進めています。同社は東南アジアや米国の関連会社を通じた海外販売を強化するとともに、ホテルや介護施設など住宅以外の市場へバス製品を展開して受注機会を広げる計画です。加えて、ECや実店舗「LOST AND FOUND®」、メディア発信による高感度層の取り込みや、廃ボーンチャイナを再利用した肥料「BONEARTH®」などサステナブル商品による新規需要の創出にも取り組んでいます。
技術革新面では外部研究機関との共同研究や工場の自動化投資により生産効率と品質を改善する方針です。セラミックでは新規積層基板やアルミナ基板の製品開発を進め、陶磁器では検査・測定の自動化とIT投資で歩留まり向上を図ります。また、浄化槽やディスポーザーの機能追加・新製品開発を継続し、研究開発と生産の両面から競争力を高めることで中期計画の達成を目指しています。