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富士フイルムホールディングスJP:4901
事業内容
富士フイルムホールディングスは、複数の事業セグメントを持ち、多岐にわたる製品とサービスを提供しています。以下に、各事業セグメントとその主要な製品・サービスを紹介します。
まず、ヘルスケアセグメントでは、メディカルシステム機材やバイオ医薬品の製造開発受託、細胞・培地・試薬などの創薬支援材料、医薬品、化粧品、サプリメントなどを手がけています。主要な関連会社には、富士フイルム株式会社や富士フイルム富山化学株式会社などがあります。
次に、エレクトロニクスセグメントでは、半導体材料、ディスプレイ材料、産業機材、ファインケミカルなどを提供しています。このセグメントには、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社やFUJIFILM Electronic Materials U.S.A., Inc.などが含まれます。
ビジネスイノベーションセグメントでは、ソリューション・サービス、デジタル複合機、グラフィックコミュニケーションシステム機材、インクジェット機材などを展開しています。富士フイルムビジネスイノベーション株式会社や富士フイルムシステムサービス株式会社が主要な関連会社です。
最後に、イメージングセグメントでは、インスタントフォトシステム、カラーフィルム、写真プリント用カラーペーパー・サービス・機器、デジタルカメラ、光学デバイスなどを提供しています。富士フイルム株式会社や富士フイルムオプティクス株式会社がこのセグメントに含まれます。
富士フイルムホールディングスは、これらの多様な事業を通じて、社会課題の解決に貢献し、世界中の人々に幸せな笑顔を届けることを目指しています。
経営方針
富士フイルムホールディングスは、創立90周年を機に「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」というグループパーパスを掲げています。この目標を達成するため、同社は新製品開発や設備投資、ESG課題への取り組み、人材育成、株主還元を重視し、持続的な成長を目指しています。特に、競争優位性を維持しながら経済的価値と社会的価値の両方を追求することに注力しています。
同社は、2017年に策定した「Sustainable Value Plan 2030」(SVP2030)を基に、2024年に中期経営計画「VISION2030」を発表しました。「VISION2030」では、収益性と資本効率を重視し、世界トップクラスの事業集合体を目指しています。2024年度は、売上高や営業利益が過去最高を更新し、バイオCDMO事業や半導体材料事業への投資を進めています。
2025年度の経営環境では、金利上昇や物価高の収束が期待される一方で、世界経済の不確実性が増しています。富士フイルムホールディングスは、全事業の収益力向上とキャッシュ創出を進め、ヘルスケアやエレクトロニクスの成長を加速させることで、持続的な成長を目指しています。
ヘルスケア部門では、AI技術やバイオ技術を活用し、高齢化社会や新興国の医療環境改善に貢献しています。2025年度には、売上高1兆円を超える増収を目指し、AI・ITを活用した製品やサービスの拡充を進めています。また、バイオCDMO事業では、デンマークや米国での大型製造設備の稼働を進め、事業拡大を図っています。
エレクトロニクス部門では、半導体市場の需要拡大に対応し、製品ポートフォリオの構築と戦略マネジメントを進めています。半導体材料事業では、プロセスケミカル事業の買収により製品ラインアップを拡充し、ワンストップソリューションを提供することで事業成長を加速させています。
ビジネスイノベーション部門では、グラフィックコミュニケーション事業を統合し、オフィスから商業印刷までをカバーするソリューションパートナーとして事業展開を進めています。ITリソースが不足する中堅・中小企業向けに、ITインフラ環境の構築・運用を支援するサービスを提供し、リカーリングビジネスを拡大しています。
イメージング部門では、アナログインスタントカメラやデジタルカメラの新製品を市場投入し、ユーザー層の拡大を図っています。また、プロフェッショナルイメージング事業では、映像制作市場への本格参入を目指し、幅広い分野での高品質な映像制作に貢献しています。
富士フイルムホールディングスは、SVP2030の下で「環境」「健康」「生活」「働き方」の4つの重点分野に取り組んでいます。特に、気候変動への対応や医療アクセスの向上、働き方改革を通じて、社会課題の解決に貢献しています。