ステラファーマJP:4888

時価総額
¥85.8億
PER
-9.4倍
がん治療の新たな選択肢として、BNCT用ホウ素薬剤「ステボロニン®」の研究開発と販売を行う医薬品開発事業。

事業内容

ステラファーマは、がん治療の新たな選択肢としてBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の実用化を目指しています。この技術は、ホウ素の安定同位体B-10と熱中性子の核分裂反応を利用し、がん細胞を選択的に破壊する放射線治療法です。BNCTは、がん細胞を選択的に破壊するため、正常組織への影響が少なく、術後の生活の質(QOL)も向上することが期待されています。

ステラファーマは、2020年にステボロニン®の医薬品製造販売承認を取得しました。この製品は、切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部癌に対する治療薬として使用されています。現在、総合南東北病院と大阪医科薬科大学病院でBNCTによる治療が行われており、医薬品卸売業者を介した自販モデルで収益化を実現しています。

ステラファーマの開発品であるステボロニン®(SPM-011)は、厚生労働省の先駆け審査指定制度の対象品目に指定されています。この製品は、高純度のB-10を含むボロファラン(10B)を原薬として製造され、がん細胞に選択的に集積する特性を持っています。これにより、がん細胞に対して効果的な反応を得ることが可能です。

ステラファーマは、BNCT用ホウ素薬剤の適応疾患の拡大を目指し、開発パイプラインを構築しています。再発悪性神経膠腫や再発高悪性度髄膜腫、悪性黒色腫、血管肉腫、初発膠芽腫、胸部悪性腫瘍などを対象に、臨床試験を進めています。これにより、ステボロニン®の適応拡大を図り、より多くの患者に治療を提供することを目指しています。

ステラファーマは、国内外でのBNCTの普及と認知度向上を目指し、加速器メーカーとの共同研究や臨床試験を進めています。また、海外市場への進出を視野に入れ、米国、欧州、アジアを中心に承認取得を目指しています。特に成長が見込まれるオンコロジー領域での適応拡大を重要な成長戦略と位置づけています。

経営方針

ステラファーマは、がん治療の新たな選択肢としてBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の実用化を推進しています。この技術は、がん細胞を選択的に破壊する放射線治療法で、正常組織への影響が少ないことが特徴です。ステラファーマは、2020年にステボロニン®の製造販売承認を取得し、頭頸部癌の治療薬として使用されています。

同社は、BNCTの認知度向上と安定的な収益獲得を目指し、売上高の増加を主要な経営指標としています。中長期的には、国内での適応疾患の拡大と、米国、欧州、アジアを中心としたグローバル展開を進め、新たながん治療の選択肢としてステボロニン®を提供することを戦略としています。

ステラファーマは、未だ有効な治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズに応えるため、適応拡大を目指しています。また、海外展開においては、グローバル製薬企業との連携を深め、早期の市場参入を目指しています。これにより、BNCTの普及を加速させる方針です。

同社は「中期経営計画2027」において、BNCT医薬品のフロントランナーであり続けることを掲げています。適応疾患の拡大や海外展開、新規パイプラインの拡充、財務体質の強化、優秀な人材の獲得・育成、安定供給の維持を重点課題とし、これらを通じて持続的な成長を目指しています。