ステラファーマJP:4888

時価総額
¥171.3億
PER
がん治療法の一つであるBNCTの実用化を目指し、世界初のBNCT用ホウ素薬剤「ステボロニン®」の開発・販売を行う。

沿革

2007-06ステラケミファ株式会社(大阪市中央区)の100%子会社として法人設立
2008-07第一種医薬品製造販売業許可を取得(大阪府)
2009-01開発品SPM-011が、独立行政法人科学技術振興機構(現 国立研究開発法人科学技術振興機構)が支援する独創的シーズ展開事業の委託開発課題に採択
(現在は国立研究開発法人日本医療研究開発機構が実施する医療分野研究成果展開事業に移管)
2012-11開発品SPM-011の日本における脳腫瘍 第Ⅰ相臨床試験を開始(脳腫瘍の対象は、再発悪性神経膠腫患者)
2014-01研究開発業務の効率化を目的として、公立大学法人大阪府立大学(現 公立大学法人大阪)BNCT研究センター内に研究所(さかい創薬研究センター)を移設(堺市中区)
2014-04開発品SPM-011の日本における頭頸部癌 第Ⅰ相臨床試験を開始(頭頸部癌の対象は、切除不能な局所再発頭頸部癌及び切除不能な局所進行頭頸部癌(非扁平上皮癌)患者)
2016-02開発品SPM-011の日本における脳腫瘍 第Ⅱ相臨床試験を開始(脳腫瘍の対象は、再発悪性神経膠腫患者)
2016-03株式会社産業革新機構(現 株式会社INCJ)及び住友重機械工業株式会社を引受先として、第三者割当の方法により増資を実施
2016-07開発品SPM-011の日本における頭頸部癌 第Ⅱ相臨床試験を開始(頭頸部癌の対象は、切除不能な局所再発頭頸部癌及び切除不能な局所進行頭頸部癌(非扁平上皮癌)患者)
2017-04開発品SPM-011が、厚生労働省が実施する先駆け審査指定制度の対象品目(医薬品)として指定
2018-05東京事務所を開設(東京都中央区)
2019-11開発品SPM-011の日本における悪性黒色腫及び血管肉腫 第Ⅰ相臨床試験を開始
2020-03日本において、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として、BNCT用ホウ素薬剤ステボロニン®点滴静注バッグ 9000 mg/300 mL(一般名:ボロファラン(10B)、開発品名:SPM-011 以下「ステボロニン®」という)の製造販売承認を取得
2020-05ステボロニン®の販売を開始
2020-10株式会社スズケン及び株式会社ハイメディックを引受先として、第三者割当の方法により増資を実施
2021-04東京証券取引所マザーズに上場
2021-05みずほ証券株式会社を引受先として、第三者割当の方法により増資を実施
2022-03ステラケミファ株式会社による当社株式の一部売却に伴い、同社の子会社から関連会社に変更
2022-11血管肉腫 第Ⅱ相臨床試験を開始
2022-12SMBC日興証券株式会社を割当先とする行使価額修正条項及び行使停止指定条項付新株予約権の発行を実施
2023-06東京事務所を東京都中央区から東京都千代田区へ移転
2024-01開発品SPM-011の日本における初発膠芽腫 第Ⅰ相臨床試験を開始

事業内容

ステラファーマは、がん治療の新たな選択肢として注目されるBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の実用化に向け、ホウ素薬剤の研究開発に注力しています。BNCTは、がん細胞に選択的に集積したホウ素と熱中性子を反応させ、がん細胞のみを破壊する治療法です。この特徴により、正常組織への影響が少なく、患者のQOL(生活の質)の維持が期待されます。

ステラファーマは、BNCT用ホウ素薬剤「ステボロニン®」の開発に成功し、2020年3月に世界で初めての薬事承認を取得しました。この薬剤は、がん細胞に高い選択性で集積し、効果的な治療を可能にすることが特徴です。また、ステラファーマは、BNCTの普及と認知度向上にも力を入れており、加速器メーカーとの共同研究開発や臨床試験を通じて、ステボロニン®の適応拡大を目指しています。

国内では、ステボロニン®を用いたBNCT治療が、総合南東北病院や大阪医科薬科大学病院で開始されています。ステラファーマは、これらの医療施設での治療開始を受け、医薬品卸売業者を介した自販モデルによる収益化を実現しています。さらに、ステボロニン®の競争優位性を維持しつつ、国内外での適応拡大を進め、がん治療における新たな選択肢としての地位を確立していく戦略を展開しています。

ステラファーマの事業戦略は、BNCTの医療技術を軸に、ステボロニン®の適応拡大に向けた研究開発、臨床試験の実施、そして国内外での認知度向上と普及活動に注力することにあります。これにより、がん患者にとっての治療選択肢の拡大と、ステラファーマの持続的な成長を目指しています。

経営方針

ステラファーマは、がん治療の新たな選択肢としてBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の実用化に注力している企業です。同社は、企業理念として「ひとりのかけがえのない命のために、世界の医療に新たな光を照らす」ことを掲げ、BNCT用ホウ素薬剤「ステボロニン®」の開発に成功し、2020年3月に世界で初めての薬事承認を取得しました。この成果を基盤に、ステラファーマは国内外での適応疾患の拡大と、BNCTの普及・認知度向上に力を入れています。

中期経営計画では、ステボロニン®を事業基盤とし、国内では適応疾患の拡大を図りつつ、米国、欧州、アジアを中心にグローバル展開を進める戦略を採っています。特に、未だ有効な標準的治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズ、いわゆる「Unmet Medical Needs」の分野での適応拡大を目指しています。海外展開においては、製薬企業等との提携を通じて上市までの期間短縮を図る方針です。

経営環境として、がん患者数の増加や新薬承認の増加により、国内外での市場伸長が予測されています。このような環境下で、ステラファーマは、適応疾患の拡大、海外展開の推進、新規パイプラインの拡充、財務体質の強化、優秀な人材の獲得及び育成、安定供給の維持・確保を主な課題として取り組んでいます。

ステラファーマの成長戦略は、BNCTという革新的ながん治療技術を軸に、ステボロニン®の適応拡大と国内外での認知度向上を目指すことにあります。これにより、がん患者にとっての治療選択肢を拡大し、同社の持続的な成長を図っています。