スカラJP:4845

時価総額
¥69.8億
PER
16.6倍
DX事業、人材事業、EC事業、インキュベーション事業の有力企業。ふるさと納税システムやサイト内検索エンジン『i-search』などのSaaSを展開。累計導入実績は860自治体超、10年以上の運用実績、北海道から沖縄まで。

事業内容

スカラはDX事業、人材事業、EC事業、インキュベーション事業の4分野で事業を展開しています。同社は企業や自治体、官公庁のデジタル化を支援し、サイト内検索やFAQ、Webチャット、音声応答などのSaaS型ツールとコールセンター運営を組み合わせたカスタマーサポートを中心に提供しています。加えて人材採用支援やリユース型のEC運営、M&A・共創による新規事業開発にも取り組んでいます。

同社の主要顧客は大手企業、地方自治体、政府機関などで、収益はSaaS利用料や受託開発・導入支援収入、コールセンターやBPOの委託料、人材紹介の手数料、ECの販売収入、そしてアドバイザリーや投資収益で構成されています。長期の運用契約や自治体案件などストック型収入と、プロジェクト型の単発収入を両立している点が特徴です。

同社は事業ごとに製品・サービスを揃えており、DX分野では検索・FAQ・チャット・ボット・自動音声応答やデジタルギフト、自治体向け予約・給付金管理などのクラウドサービスを提供しています。人材分野は体育会・女子学生向けの採用メディアや転職支援、学習塾運営があり、EC分野ではトレーディングカードの買取・販売サイトを運営、インキュベーションでは官民共創プラットフォームや共創型M&Aアドバイザリー、投資・事業化支援を行っています。

経営方針

同社は「中期経営計画 2026–2028」に基づき、安定した財務基盤の維持と効率的な資本運用による企業価値の向上を目指しています。評価指標としては、Non‑GAAPの売上収益・営業利益に加え、投下資本利益率(ROIC)や資本コスト(WACC)を重視し、事業ごとの収益性を明確に管理することで中長期の成長を実現しようとしています。

同社は投資の重点をDX事業、人材事業、EC事業、インキュベーション事業の4分野に置いており、差別化は「ツール提供」と「運用・人材」の両輪で図っています。例えば、検索やFAQ、Webチャット、音声応答といったクラウド提供の業務ツール(SaaS型ツール)に加え、コールセンター運営を組み合わせることで導入から運用まで一気通貫で提供し、EC事業ではフロントエンドから物流まで内製化して柔軟に対応できる体制を整えています。人材確保のためには国内採用強化に加え、ニアショアやオフショアの開発拠点拡充を進めています。

同社は新市場開拓と事業拡大に向けてM&Aや事業提携を積極活用しています。狙いは新規事業ドメインへの参入、顧客基盤の拡大、技術・ノウハウ・人材の獲得であり、共創型の案件を通じて長期的なストック収入を増やす戦略です。具体例としては、女性向け採用支援「女子キャリ」や中途採用領域への拡大、トレーディングカード市場の成長(2024年度で市場規模約3,024億円、前年比+9.0%)を背景にした海外需要取り込みなど、個別分野での拡張を明確に進めています。

同社は技術革新にも取り組んでおり、AI技術の向上と倫理的利用の両立を重要テーマに掲げています。画像認識やユーザー体験(UI/UX)の改善、クラウド環境の活用による開発スピード向上に投資するとともに、社会課題解決型のDX案件を増やすことで実務を通じた技術習得を図っています。これらの取り組みを通じて優秀な技術者を引き付け、大型の共創案件や継続的な収益につなげることを目指しています。