テー・オー・ダブリューJP:4767

時価総額
¥182.7億
PER
10.2倍
体験領域を核としたプロモーション企画・制作の有力企業。リアルイベント、ハイブリッド、統合プロモーションなどの制作・運営を展開。連結子会社3社でTVCM・WEB動画・デジタルコンテンツの企画制作と運用を担う体制。

事業内容

テー・オー・ダブリューは、体験を軸にしたプロモーションの企画・制作を主業とする企業です。同社はリアルなイベントやオンライン施策、動画やPRなどを組み合わせて、企業のブランド施策や商品プロモーションをワンストップで企画・制作しています。

主要な顧客はメーカーや広告主、広告代理店などで、案件ごとの受注収入が中心の収益構造です。同社は企画・制作費や運営費、デジタル運用などサービスごとに収益を得ており、外注や連結子会社と連携してプロジェクトを遂行しています。

事業は単一セグメントながら、制作業務を「リアルイベント」「ハイブリッドイベント」「統合プロモーション」「その他」に分類して展開しています。連結子会社は領域ごとに役割を分担し、イベントの制作・運営、テレビやウェブ動画の企画・制作、デジタルコンテンツの企画・制作・運用などで専門性を発揮しています。

経営方針

同社は、体験価値を軸にした成長を掲げ、事業拡大を図っています。具体的には「クライアントの拡張」と「領域の拡張」を成長戦略の柱とし、連結経常利益と従業員一人当たりの売上総利益の向上を目指しています。直近では2025年6月期にリアルイベント需要の回復や大阪・関西万博の寄与があり、2026年6月期は高い収益力の維持・向上を目標にしつつ、基盤強化のため戦略的な費用投下を行い中長期成長を狙っています。

投資の重点分野は、体験デザインの高度化とリアルとデジタルの統合です。同社はリアルイベント、ハイブリッドイベント、統合プロモーションなどを組み合わせ、企画・制作・運営をワンストップで提供することで差別化を図っています。具体的施策としては、高付加価値のフィー型業務(成果に応じた報酬モデル)の拡大やグループ内製化の推進、デジタル運用や動画制作の社内能力強化に投資し、外注依存を減らして利益率を高めることを進めています。

新市場開拓では既存顧客の掘り起こしに加え新規顧客の獲得を強化して受注先を拡大する方針です。同社は生活者のデジタルシフトやインバウンド回復などの環境変化に合わせ、企業マーケティング領域での統合プロモーション需要を取り込む計画を示しています。加えて、受注体制の整備やグループ連携による領域ごとの専門性強化を進め、イベント領域から映像・デジタルコンテンツ領域への展開を加速させる考えです。

技術革新への取り組みは、リアル体験とデジタル施策をつなぐ仕組み作りに集中しています。同社は体験デザインの進化を掲げ、デジタルコンテンツの企画・制作・運用能力を高めるために人材育成や外部専門家の活用を進めています。また、2025年の労働制度運用の問題を受けてガバナンス体制を再構築しつつ、内部監査や外部監査の強化、運用モニタリングの整備を通じて技術開発と運用の両面で実効性を担保する施策を実行しています。