日本情報クリエイトJP:4054

時価総額
¥106.6億
PER
14.6倍
不動産業務支援クラウドサービスの有力企業。仲介ソリューションの「リアプロBB」「リアプロ」と管理システム「賃貸革命」などを展開。2022年に「リアプロ」をM&Aで追加、2025年5月28日のサービス統合でシステム障害が発生し2025年6月分の利用料を返金対応。全国に拠点を展開(2025年6月30日現在)。

事業内容

日本情報クリエイトは、不動産業向けに業務支援のクラウドサービスを一貫して提供する企業です。同社は物件情報のデジタル化や仲介・管理業務の効率化を狙ったクラウドサービス群を主力とし、不動産会社の生産性と収益性の向上に取り組んでいます。

同社の主な顧客は不動産管理会社や不動産仲介会社で、加えて入居者や家主向けの消費者支援サービスも展開しています。収益は月額課金などのストック型が中心で、2025年6月期は約78%がストック収益を占め、解約率も低水準にとどまり安定した収益基盤を築いています。

事業は「仲介ソリューション」と「管理ソリューション」の二本柱で展開しており、業者間物件流通の「リアプロBB/リアプロ」や賃貸管理の基幹システム「賃貸革命」を中核に据えています。さらに自社サイト連携や電子入居申込・電子契約、入居者・オーナー向けアプリ、AIを活用したオーナー提案ツールなどを揃え、直販と販売店経由で提供しながら全国拠点による導入支援とサポートを行っています。

経営方針

同社は「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」という中期ビジョンの下、増収増益を目指しています。2025年6月期の収益構成では約78%が月額課金などのストック型収益で安定しており、将来の業績目標(2027年6月期の数値)は非公表ながら中期的な成長戦略に変更はないと明言しています。業績の進捗確認には売上高の対前年増加額や経常利益の対前年増加額を主要な指標として重視しており、健全な財務基盤の維持を優先課題としています。

同社は仲介ソリューションと管理ソリューションの二本柱に重点投資を行い、業者間物件流通サービス「リアプロBB/リアプロ」や賃貸管理システム「賃貸革命」をコア商品としています。差別化策としては、一般公開されない入退去データ等のリアルな不動産データベースを活用し、有償オプションや関連サービスで顧客単価を高める営業モデルを強化しています。具体的には全国約5.6万の不動産仲介事業者をターゲットにクラウド型集客・成約支援サービスを販促し、既存顧客へのアップセル・クロスセルで稼働率を高める施策を推進しています。

新市場開拓と事業拡大では、営業基盤の強化を通じた顧客囲い込みと地域戦略を進めています。全国28拠点の現地コンサルティング網を生かして顧客を細分化し、インサイドセールスやカスタマーサクセス、販売店網を組み合わせて新規開業事業者への対応を強化する方針です。また、国の法改正や業界の人手不足を追い風に、入居者・オーナー向けサービスや修繕、外部BPO(業務代行)など関連領域への横展開も進めています。市場環境として毎年6,000社以上の宅建業者の新規開業があり、これを成長機会として取り込む施策を実行しています。

技術革新については保有データとAIを組み合わせた新規事業を重視しており、独自指標「CRIX」の販売開始やクラウド上でのデータ提供(AWS経由)を通じてデータ事業を拡大しています。AI導入の具体例としては2023年8月にリリースした「オーナー提案AIロボⅡ」にAI査定機能を搭載しており、物件データや入居者属性を使った収益予測や提案自動化を進めています。研究開発やデータ活用を継続的に投資し、不動産業界の業務効率化と新たなソリューション提供を加速することを同社は目指しています。