ユーザーローカルJP:3984

時価総額
¥309.2億
PER
20倍
ビッグデータとAIを活用したデータクラウド事業の有力企業。SaaS型でUser Insight、Social Insight、Support Chatbot、ユーザーローカル ChatAIの主要サービス4点を展開。低価格で導入しやすい提供形態と生成AI連携が特徴。

事業内容

ユーザーローカルは、ビッグデータと人工知能を活用した法人向けクラウドサービスを展開しています。同社はWeb解析やソーシャルメディア分析、問い合わせ自動化、生成AIプラットフォームなどを中心にSaaS形式でサービスを提供しています。

主要顧客は企業のマーケティング、広報、カスタマーサポート部門で、導入しやすい月額課金型の契約が多くを占めます。同社はサブスクリプション収入を軸に、利用者増加によるデータ蓄積でサービス価値を高め、継続的な収益拡大を目指しています。

同社は事業をデータクラウド事業の単一セグメントとして位置づけ、主な製品にUser Insight(ウェブ解析とコンテンツ自動生成)、Social Insight(口コミ・SNS分析と投稿管理)、Support Chatbot(問い合わせ自動化)、ユーザーローカル ChatAI(企業向け生成AIプラットフォーム)があります。各製品はAIを活用した解析や自動化を中核に、導入企業の業務効率化と意思決定支援を目指しています。

経営方針

同社はサブスクリプション型の収益基盤を軸に、利用者の増加とそれに伴うデータ蓄積でサービス価値を高め、継続的な収益拡大を図る成長戦略を掲げています。国内のAIシステム市場は2023年に6,858億円、2028年には2兆5,433億円に拡大すると見込まれており、同社はこの市場成長を取り込むことで売上拡大を目指しています。導入しやすい月額課金を重視することで顧客の裾野を広げ、安定した定常収入の拡大を図る方針です。

重点投資分野としては、データ解析と人工知能を核に据えた技術開発、人材確保・育成、及びシステムインフラとセキュリティの強化を挙げています。具体的にはAIエンジニアやデータサイエンティストの採用・長期研修を進めるとともに、サーバー設備の増強や並列処理の導入で処理負荷に対応し、ISO/IEC 27001・27017の取得を含む情報管理体制の維持・向上に投資しています。こうした投資で、蓄積された顧客データと実運用の知見を差別化要素とし、顧客ニーズに即した価値提供を目指しています。

新市場開拓と事業拡大では、既存のウェブ解析やソーシャル分析、問い合わせ自動化、生成AIプラットフォームといった製品群を業種横断で深掘りし、業務部門ごとの利用拡大を目指しています。具体策としては広告宣伝や販売促進の強化による認知向上のほか、業界別の導入実績を活用したケーススタディの提示やテンプレート化で導入障壁を下げ、新規案件の獲得を図る方針です。これにより既存顧客の横展開と新規顧客の獲得を同時に進めていきます。

技術革新については生成系を含む機械学習技術の研究・開発を継続し、製品の自動化・高度化を進める計画です。中長期的な設備投資により安定稼働を確保すると同時に、社内の定期的な研修や内部監査を通じて運用ノウハウとガバナンスを強化しています。同社はこれらの取り組みによって、生成AI時代の多様化する顧客要求に迅速に応え、競争優位性を維持することを目指しています。