東洋紡JP:3101

時価総額
¥1050.8億
PER
16倍
包装用フィルムや工業用フィルム、診断薬用酵素、医薬品、エンジニアリングプラスチック、エアバッグ用基布、不動産の販売・賃貸・管理など。

事業内容

東洋紡は、複数の事業セグメントを持ち、多岐にわたる事業を展開しています。まず、フィルム事業では、包装用フィルムや工業用フィルムの製造・加工・販売を行っています。東洋クロス株式会社などの関連会社がこの分野で活動しており、原料の売買も行っています。

ライフサイエンス分野では、診断薬用酵素や医薬品、医用膜、医療機器の製造・販売を手がけています。Spinreact, S.A.U.などの子会社が診断薬や機器の製造・販売を行い、医療分野での存在感を示しています。

環境・機能材セグメントでは、エンジニアリングプラスチックや工業用接着剤、光機能材料、機能フィルターなどを製造・販売しています。東洋紡エムシー株式会社などがこの分野で活動し、原料の売買も行っています。

機能繊維・商事分野では、エアバッグ用基布や衣料テキスタイル、衣料ファイバーの製造・販売を行っています。TOYOBO INDUSTRIAL MATERIAL (THAILAND) LTD.などがこの分野で活動し、繊維加工や合成繊維の製造も手がけています。

不動産事業では、東洋紡不動産株式会社などが不動産の販売・賃貸・管理を行っています。その他の事業としては、東洋紡エンジニアリング株式会社が建物や機械の設計・施工、機器の販売を行い、東洋紡ロジスティクス株式会社が物流サービスを提供しています。

経営方針

東洋紡は、持続可能な成長を目指し、企業理念「TOYOBO PVVs」に基づく長期ビジョン「サステナブル・ビジョン2030」を掲げています。このビジョンでは、「人」と「地球」に関する5つの社会課題を設定し、コア技術を活用したイノベーションで課題解決を図ります。これにより、安心して暮らせる豊かな社会の実現と企業価値の向上を目指しています。

2025年を目標とする中期経営計画では、東洋紡は「サステナブル・グロース」への変革を進めています。計画の基本方針として、「安全・防災、品質の徹底」「事業ポートフォリオの組替え」「未来への仕込み」「土台の再構築」の4つの施策を掲げています。これにより、信頼性の向上と事業の成長を図り、持続可能な成長を実現します。

東洋紡は、フィルム事業とライフサイエンス事業を「重点拡大事業」と位置づけ、積極的な投資を行っています。これにより、中長期的な成長を目指しています。一方、環境・機能材事業は安定収益事業として、三菱商事との合弁会社を通じて経営基盤の強化を図っています。また、要改善事業には収益性改善策を実施し、早期の黒字化を目指しています。

未来への仕込みとして、東洋紡は4つのコア技術を融合し、新たなソリューションを創出しています。これには、環境浄化やCO2の回収・利用に貢献する技術、健康寿命を全うできる社会を目指す技術が含まれます。また、カーボンニュートラルに向けた取り組みやDXの推進も進めています。これにより、持続可能な社会の実現に貢献します。

東洋紡は、持続的な成長を支える基盤の再構築を進めています。人的資本の強化や人権の尊重、モノづくり現場力の強化、ガバナンスの強化などを通じて、組織の持続可能性を高めています。また、資本コストを意識した経営を推進し、ROEやROICの向上を目指しています。これにより、株主価値の向上を図ります。