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visumoJP:303A
事業内容
visumoは「誰でも簡単にデジタル活用ができる世界を創る」という理念のもと、写真や動画などのビジュアル素材を管理・活用するビジュアルマーケティングプラットフォームを開発・提供しています。同社の主力サービスはクラウド型のサービスで、ノーコード操作とワンタグで自社のブランドサイトやECサイトにSNS投稿や自社制作のコンテンツを手軽に転載できる点が特徴です。
主要な顧客はブランド企業やEC事業者、小売・サービス業などオウンドメディアを運用する事業者で、販売は直販に加えEC構築やマーケティング支援のパートナー経由でも行っています。同社の収益はストック型が中心で、直近期はストック売上が約94%を占め、そのうち固定の月額収入が約83%と安定した収入基盤を持っています。初期導入費や従量課金、短期の運用支援が補完的な収益となっています。
事業はビジュアルマーケティングプラットフォームの単一セグメントで、代表的な製品ラインにvisumo social、visumo snap、visumo video、visumo recommendがあります。socialはSNS上の投稿を管理画面で収集・許諾取得して自社サイトに掲載する機能、snapは店舗スタッフなどがスマートフォンから写真や動画を投稿できる仕組み、videoは動画の一元管理と活用支援、recommendは閲覧行動に応じて最適なコンテンツを自動表示する機能で、これらを組み合わせて顧客体験の向上や運用効率化を図っています。
経営方針
同社は安定した成長と企業価値の向上を目指しており、売上高と経常利益の拡大を主要指標に据えています。特にストック型収益の拡大を重視しており、直近では固定の月額収入が売上全体の約83%、ストック売上比率は四半期ベースで概ね85%前後を確保しています。事業の健全性を判断するために、ストック売上・アクティブ社数・ARPU(1社あたりの平均売上)・解約率をKPIとして管理しており、直近ではアクティブ社数が約676社、ARPUが約104,000円、解約率が約1%前後にとどまっている点を成長の基盤としています。
重点投資分野は製品開発と販売体制の強化です。同社はワンタグ・ノーコードで短期間・低コストに導入できる点を差別化要因としており、これをさらに強化するため開発人材の増員と機能改善に投資しています。具体的には、顧客の利用ノウハウを機能化してARPUを上げる新機能の追加や、カスタマーサクセス体制の強化によって解約率を低位で維持する施策を進めています。また販売面では直販の強化と販売パートナーの拡大を進め、2025年3月期は直接販売が約84.9%、パートナー経由が約15.1%の比率で拡販しています。販促面では展示会出展やセミナー、広告宣伝にも注力しています。
市場開拓では既存のEC関連業界の深耕に加え、EC用途以外への導入拡大を進めています。具体的には観光業や製造業、商業施設、教育機関など幅広い業種への展開を目指しており、中小企業や地方企業のデジタル化ニーズを取り込む方針です。外部環境も追い風で、関連市場は今後も拡大が見込まれており、ECサイト構築支援市場は年率約4.9%で成長し2027年に約2,579億円、デジタルマーケティング市場は2027年に約5,016億円規模に達するとの予測があるため、これらの市場でのシェア拡大と将来的な海外展開の検討も進めています。海外展開は長期的課題として、市場規模や人手・規制を総合的に判断して段階的に実施する計画です。
技術革新については、誰でも使える操作性を損なわずに高度化を図る方針です。同社は既存機能の改善に加え、生成型の人工知能などの先端技術を取り入れた新機能の研究開発を推進しており、これによってコンテンツ推薦や自動生成、運用効率の向上を目指します。開発体制の強化と品質向上を並行して進めることで、ARPUの向上や顧客満足度の改善、競合との差別化を図り、長期的なストック収益の拡大と低い解約率の維持を実現しようとしています。