MICJP:300A

時価総額
¥214.4億
PER
24.7倍
リテール販促360°フルサービスの有力企業。販促物共同配送Co.HUBと販促DXクラウドPromOSを展開。Co.HUBは2025年3月31日時点で20チェーン導入、店舗カバー率54%の実績。2022年に物流拠点「はちフィル」を開設、全国展開。

事業内容

MICは「ビジネス改善カンパニー」として、リテール業界の販促活動に関わる非効率を解消するための『リテール販促360°フルサービス』を提供しています。同社は企画・コンサルティングからシステム開発、販促物の製造・加工、在庫保管・配送、現場のラウンダー派遣までを自社一貫体制で組み合わせ、顧客が本質的な業務に集中できる時間を創出しています。

主要な顧客はコンビニや外食チェーン、ドラッグストアなどの小売業と、消費財や化粧品、食品、製薬などのメーカー、さらに通信・IT・金融などのサービス業に及びます。同社は事業を単一セグメント(リテール販促360°フルサービス)で展開し、コンサルやクラウド利用料、製造・フルフィルメントの受託、配送サービスといった複数の収益源で売上を構成しています。

事業ラインは大きく、現場の物流・加工・配送を担う「ものづくり/フルフィルメント」と、業務を効率化するデジタルサービスに分かれています。代表的な戦略サービスは、メーカーの販促物を集約して店舗ごとに梱包・共同配送するCo.HUB(はちフィル拠点)と、販促業務を一元管理するクラウドPromOS(在庫確認・デザイン編集・発注集計・店舗からの追加発注などの機能)で、これらにコンサルティング、BPO、クリエイティブ、フィールドサポートが連携して提供されています。

経営方針

同社は「リテール販促360°フルサービス」を軸に、既存顧客の深耕と取引額の最大化による成長を目指しています。具体的には、メーカー向けの共同配送サービス(Co.HUB)で獲得した顧客に対して、企画・製造・在庫管理・配送・現場支援までを一貫提供することでクロスセルを進め、1社あたりの取引額を引き上げることを狙っています。Co.HUBの導入累計は導入期の119社から2025年3月末に341社へと拡大しており、主要な経営指標である販促DXクラウド「PromOS」の導入アカウント数も2023年3月末の16アカウントから2025年3月末に25アカウントへ増加していることから、同社はこれらの拡大を通じて売上拡大を図っています。

重点投資分野はものづくり・フルフィルメントとデジタルサービスの両輪です。同社は企画・デザイン・印刷・流通加工・共同配送・ラウンダー派遣までを自社で完結させる「自社一貫体制」を差別化要因とし、ドラッグストア業界では販促物共同配送サービスを全国のドラッグストア店舗の約54%に提供するなど参入障壁を築いています。加えて、八王子やあきる野のロジスティクスセンター等に自動化設備を投じることで作業効率を高め、売上高営業利益率の改善を図る取り組みを進めています。

新市場開拓では、Co.HUBの業界水平展開とM&Aによる領域拡大を計画しています。短中期的にはドラッグストアでの実績を踏まえ、コンビニや外食チェーン、ホームセンターなどのリアル店舗を持つ他業界へ共同配送やフルフィルメントを横展開し、配送店舗数と新規顧客を増やすことで収益基盤を広げる方針です。長期的にはフルフィルメント、システム開発、フィールドサポート等の各領域でプラットフォームを構築し、360°のビジネスエコシステムを拡充するためのM&Aを視野に入れて事業拡大を目指しています。

技術革新への取り組みとしては、販促DXクラウド「PromOS」を中核指標に据え、デジタルと現場データを掛け合わせた販促ビッグデータの活用を強化しています。POSデータや店舗属性、棚情報といったデータを用いて効果が見込めるキャンペーン設計や製造・物流・設置の合理化を進め、顧客の業務インフラ化を図ることで継続的な売上拡大と他社参入の困難化を狙っています。顧客常駐人数も2023年3月末の71名から2025年3月末に93名へ増加しており、同社は技術と現場の両面に投資して事業の競争力を高めることを目指しています。