太陽化学JP:2902

時価総額
PER
食品素材や機能性成分の製造販売の有力企業。カテキン、テアニン、乳化剤、鶏卵加工品などの機能性食品素材を展開。海外子会社8社(米1・中4・韓1・印1・独1)と国内子会社2社、関連会社1社体制で日本・米中欧印で展開。

事業内容

太陽化学株式会社は、食品や化粧品向けの原料を中心に製造・販売する企業です。同社は乳化剤や安定剤、鶏卵加工品、即席食品用素材、農産加工品、栄養機能素材など幅広い素材を食品メーカーや化粧品メーカーに提供しています。

主な顧客は乳製品、飲料、菓子、パン、即席麺などの食品メーカーに加え、健康食品や医療関連、化粧品・トイレタリー業界です。同社は製品販売を主たる収益源とし、国内外の子会社や販売拠点を通じて地域別に販売・供給を行い、受託製造や原料調達業務も収益に寄与しています。

事業は大きく栄養素材、品質改良剤、天然原料の三分野に分かれています。栄養素材は緑茶由来成分や機能性アミノ酸、食物繊維などの健康関連原料、品質改良剤は乳化剤など製品の安定や食感を高める素材、天然原料は鶏卵加工品やたん白素材、即席食品用素材などを扱い、各部門で国内外の拠点と連携して顧客ニーズに応えています。

経営方針

同社は「好奇心 そして行動」を掲げ、技術開発力の強化を基盤に新市場の創造と事業の選択と集中を進めることで、中長期的な成長を図っています。市場変化に対しては生産ラインの効率化や組織のスリム化を通じて総合的な競争力を高めることを目指しており、営業活動や本社の「おいしさ科学館」を活用した顧客ニーズの収集・発信を続けています。グローバル展開を重視し、海外生産・販売網の充実によって売上基盤の多様化を進める戦略です。

重点投資分野は栄養素材、品質改良剤、天然原料の三領域で、緑茶由来成分や機能性アミノ酸、食物繊維、鶏卵加工品などの独自素材に注力しています。同社は製品開発と生産技術に強みを持ち、国内外の生産拠点へ技術者を投入するジョブローテーションでノウハウを移転するなど、製品差別化と供給安定性の両面で優位性を確保することを目指しています。品質面ではHACCPに基づく管理を徹底し、国内工場でのSQF、海外工場でのFSSC22000といった国際的な食品安全認証を取得している点も差別化要因です。

新市場開拓と事業拡大の計画としては、既存の海外拠点を活用して現地ニーズに合わせた製品投入を加速させます。中国やインドにある生産会社や、米国・韓国・中国・ドイツの販売子会社を通じて地域ごとの商流を強化し、中国ではベーカリー製造販売会社も保有するなどローカル事業を拡大しています。受託製造や原料調達業務も収益の柱と位置づけ、販売チャネル拡大とともに収益性の高い製品へ経営資源を集中する方針です。

技術革新への取り組みでは、研究開発と現場改善を連携させる体制を整えています。同社は社内での自主研究会や成果発表会を定期的に実施し、2010年導入の基礎研修など人材育成にも投資して社員の能力向上を図っています。環境技術面ではデマンド管理や省エネ設備への更新、廃棄物削減といった具体策を実行し、CSR推進のためISO26000に準じた委員会を設置、2019年9月には国連グローバル・コンパクトに加盟して持続可能性の向上を目指しています。