日水コンJP:261A

時価総額
¥295.8億
PER
19.6倍
上下水道を中心とした建設コンサルティングの有力企業。上下水道の調査・計画、設計・工事監理や河川・環境分野の技術コンサルティングを展開。1959年設立、第67期売上高23,533,494千円、2021年宮城県コンセッション参画、2024年特別目的会社設立。国内外(東南アジア、インド、アフリカ)展開。

事業内容

日水コンは、上下水道を中心に水に関する調査・計画・設計や工事監理を行う建設コンサルタントです。同社はライフラインや河川、環境対策に関わる技術的なコンサルティングサービスを提供しています。

同社の主要な顧客は中央官庁や地方自治体で、直近の連結売上の約93%が官公庁案件からの収入です。海外ではJICAや円借款を通じた東南アジア、インド、アフリカ等の政府案件も受注しています。

事業は建設コンサルティングの単一セグメントで、上下水道部門のほか河川、環境、建築、機電といった部門を抱えています。土木・建築・設備・機械・電気・水質・情報などの専門家がチームを組んで対応し、近年は自治体支援や官民連携(PFI/コンセッション)を通じて運営・管理分野にも事業を拡大しています。

経営方針

同社は「中期経営計画2025」に基づき「水のインパクトカンパニー」を目指しています。具体的な経営目標としては、売上高営業利益率10%、自己資本利益率(ROE)10%を目安に効率的な収益構造の確立を図っています。財務面では金融機関依存を抑え、自己資金と営業キャッシュフローを中心に成長投資と安定配当・自己株式取得の両立を図る方針です。

重点投資分野は従来の上下水道を核としつつ、大型で採算性の高い公共案件や国土強靭化関連の業務に注力する点で差別化しています。設計や計画だけでなく運営・管理や複数年度の一括発注対応など、行政側の人手不足に応える総合的なソリューション提供を強めることで、単なる技術者集団にとどまらない付加価値を創出しています。時間管理の徹底や収益性の高い案件選別といった実務面の改善も具体策として進めています。

新市場開拓では、官民連携による長期契約(いわゆるウォーターPPPやコンセッションによる運営・更新一体の方式)への参画を拡大し、政府のターゲット(2031年までに上下水道等で合計225件)獲得を見据えています。また産業インフラ分野では国内の生産拠点投資や海外の排水改善ニーズに対して環境負荷低減や効率化ソリューションを提供し、JICAなどを通じた東南アジア・インド・アフリカの案件獲得も強化します。さらに地域資源を活用した小水力発電や下水汚泥の農業利用といった「水×地域」の事業化にも踏み出しています。

技術革新と人材投資を両輪に据え、資産管理のデジタル化や予防保全型のメンテナンス手法、エネルギー効率の高い処理技術の開発を推進しています。少子高齢化で進む担い手不足に対応するため採用強化とスキル継承の仕組みづくりを進め、ガバナンスの高度化で企業価値向上を目指しています。これらにより、技術力と地域に根ざした実践力で長期的な受注安定と収益性向上を実現しようとしています。