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マルサンアイJP:2551
事業内容
マルサンアイは、みそと豆乳・各種飲料の開発・製造・販売を主力とする食品メーカーです。 同社は家庭向けのパッケージ商品に加えて業務用や海外向け製品も手掛け、大豆加工や発酵のノウハウを活かした商品展開を行っています。
同社の主な販売先はスーパーマーケットや量販店、コンビニなどの小売チャネルと外食や食品メーカー向けの業務用ルートです。 他社からの受託生産や海外販売も収益源になっており、製品販売が収益の大半を占めます。
同社は事業を「みそ事業」「豆乳飲料事業」「その他食品事業」「技術指導料等」に分けて運営しています。 みそ事業では生みそや調理みそを、豆乳飲料事業では豆乳や各種飲料・水(受託生産を含む)を扱い、その他では鍋スープやチルド食品、他社商品の取り扱いなどを行っています。 また海外にも拠点を持ち、カナダの子会社は設立直後で現時点では製造・販売を行っていません。
経営方針
同社は2023年11月に策定した長期経営計画「GoPW」に基づき、2030年のあるべき姿を目標に掲げています。事業価値向上のために「第四次中期事業計画」を遂行し、同時に「第一次中期サスティナビリティー計画」で社会価値を高めることをマイルストーンに据え、投下資本利益率(ROIC)の浸透による収益構造の改善を目指しています。短中期では各事業の収益性改善を優先課題とし、将来的に市場で必要とされる企業となることを志向しています。
同社は重点投資の対象を、既存事業の質的転換と付加価値の高い商品開発に置いています。具体的にはみそ事業で事業再構築を進めてボトムライン(営業利益)を押し上げる一方、豆乳飲料事業ではブランド価値の向上によってトップライン(売上高)を拡大する施策を進めています。安全・安心や健康訴求を軸にした商品開発や、機能性や用途特化といった付加価値製品への注力で差別化を図っており、大豆加工や発酵のノウハウを活用して他社と異なる製品ポートフォリオを構築しています。
同社は新市場開拓として生産拠点と物流の戦略的最適化や海外事業の拡大を明確に打ち出しています。既に海外拠点(カナダ子会社)を保有しており、これを足がかりに販路拡大や現地生産・受託生産の拡充を図る計画です。業務用ルートや受託生産の強化を通じて収益源を多様化し、新規事業参入やフードテック領域への積極投資により成長の柱を増やすことを目指しています。
同社は技術革新と業務のデジタル化によって競争力を高める取り組みを進めています。組織の効率化や品質管理の高度化に向けてデジタル化(DX)を推進し、デジタル人材の育成を進める方針です。また環境対応では温室効果ガス排出量の削減や海洋プラスチック対策、国産原料比率の向上など具体的な施策を掲げ、研究開発ではフードテックを活用した新製品開発や機能性評価を強化して持続可能な成長を目指しています。