手間いらずJP:2477

時価総額
¥201.9億
PER
17.7倍
宿泊施設向けアプリケーションサービスとインターネットメディアの2つのセグメントの有力企業。宿泊予約サイトコントローラー『TEMAIRAZU』シリーズと比較サイト『比較.com』を展開。収入は月額固定と予約数連動の変動課金と月額広告と成果報酬型広告で構成。

事業内容

手間いらずは、宿泊施設向けの予約管理システムとインターネットメディアを二本柱に事業を展開しています。同社の主力サービスは宿泊予約サイトコントローラー「TEMAIRAZU」シリーズで、複数の予約サイトと自社予約エンジンの在庫や料金を一元管理する仕組みを提供しています。

主要な顧客はホテルや旅館といった宿泊事業者および比較情報を通じて集客や広告を行う企業です。同社の収益は、予約管理サービスで月額の基本利用料やオプション料に加え予約数に応じた変動課金が中心で、メディア事業では月額の広告収入と成果報酬型の広告収入で成り立っています。

事業セグメントは大きく二つに分かれ、アプリケーションサービスは在庫・料金管理を核に導入支援や追加機能を提供しています。インターネットメディアは「比較.com」を通じてショッピングや旅行、資産運用などの比較情報を整理して掲載し、資料請求や見積り、申込・予約といった導線で広告主の成果につなげています。

経営方針

同社は売上高の成長と高い売上高営業利益率の確保を経営目標に掲げています。具体的には今後3年間で売上高を年平均約15%で成長させ、売上高営業利益率を現状水準から維持・改善して概ね10%台を確保することを目指しています。この達成に向けては、営業力と製品力の強化に重点投資を行い、人的投資と開発投資を売上高の10〜15%の範囲でバランスよく配分し、急激な利益率低下を避けながら成長を図っていきます。

重点投資分野は宿泊施設向けの予約管理システム「TEMAIRAZU」と、比較サイトを中心としたインターネットメディアの二本柱です。同社はTEMAIRAZUで複数の予約サイトと自社予約を一元管理する機能、販売経路との連携、導入支援を強化することで差別化を図っています。具体的施策としては、新機能を四半期ごとにリリースし、導入から運用までのサポート体制を整備することで既存顧客の定着を高め、新規導入数を年間で前年比約30%増加させることを目標としています。

新市場開拓と事業拡大については、宿泊需要の回復とインバウンド需要を追い風に、国内の地方需要とアジア圏を中心とした海外展開を進めます。具体的には東南アジアの現地パートナーと提携して現地導入を図り、3年以内に海外売上を全体の約20%に引き上げる計画です。メディア事業ではカテゴリ拡張やコンテンツ充実、検索エンジン最適化とモバイル改善で訪問者数を年率約20%増、広告収入を年率約25%増を目指して収益基盤を広げていきます。

技術革新とリスク対策にも積極投資を行い、IT基盤の安定化とセキュリティ強化を進めています。同社は年間の開発投資を売上高比でおおむね8〜12%程度確保し、外部による脆弱性診断や侵入試験を年2回実施するほか、従業員向けの情報リテラシー研修を年2回実施します。加えて災害時の復旧目標時間を短縮するためのバックアップ体制を整備し、顧客が安心して利用できるサービス提供を通じて長期的な競争優位を築くことを目指しています。