HeartseedJP:219A

時価総額
¥448.3億
PER
429.2倍
iPS細胞由来心筋球による心筋再生医療の開発を行う医薬品事業の有力企業。HS-001による他家iPS心筋球の移植治療プログラムを展開。2021年5月にグローバル大手製薬企業と全世界対象の独占的技術提携・ライセンス契約で一時金受領。日本で治験を実施、2024年10月末時点で投与完了8例、海外展開準備。

事業内容

HeartseedはiPS細胞由来の心筋細胞を塊にした「心筋球」を心臓に移植して、失われた心筋を直接補う心筋再生医療の実用化を目指して研究・開発を行っています。代表的な製品候補であるHS-001は開胸手術での移植を想定したリードパイプラインで、現在臨床試験を進め承認取得を目指しています。

同社の主要な顧客は重症心不全患者を治療する医療機関や医療現場で、将来的にはグローバルな製薬パートナー経由で広く患者に届ける計画です。収益はライセンス契約に伴う一時金や開発・承認・販売に応じたマイルストン収入、海外上市後のロイヤルティ、並びに国内での販売収益のプロフィットシェアなどで成り立っています。

同社は医薬品事業の単一セグメントで、他家iPS細胞由来による開発を優先すると同時に、カテーテル投与を目指すHS-005や患者自身の細胞を使う自家品HS-040など複数のパイプラインを並行して開発しています。製造は外部の製造受託機関(CDMO)、治験は開発委託機関(CRO)、物流は専門企業と連携し、細胞の純化技術や移植デバイスといった独自技術をプラットフォームとして展開しています。

経営方針

同社は、リードパイプラインであるHS-001の臨床試験(LAPiS試験)を完了させ、日本での「条件及び期限付き承認」の取得を通じた早期の上市を最重要の成長目標としています。現状は販売承認済み製品を持たない研究開発段階の企業であり、2024年10月末時点の現預金残高は5,297,166千円、純資産は6,623,249千円であるため、短期的には臨床進捗に基づくマイルストン収入や将来の製品売上が収益の柱となる見込みです。同社は治験の着実な実行と並行して、上市準備に向けた体制構築を進め、国内での早期収益化を目指しています。

同社は研究開発と製造能力の強化に重点投資しています。具体的には、胸を開いて移植するHS-001に加え、より低侵襲なカテーテル投与を目指すHS-005をグローバルパートナーであるノボノルディスク エー・エスと共同で開発しており、2021年6月の全世界を対象とする独占技術提携・ライセンス契約を活用して差別化を図っています。製造面では外部の製造受託機関(CDMO)や治験委託機関(CRO)、物流専門企業と連携しつつ、細胞の純化技術や移植用デバイスといった自社のプラットフォーム技術を強化することで他社参入の障壁を高めています。

同社は国内での承認取得を第一歩としつつ、ノボノルディスクとの提携を通じて海外市場への展開を進める計画です。収益モデルはライセンス契約に伴う一時金や開発・承認・販売に応じたマイルストン収入、上市後のロイヤルティ、国内販売における利益配分(プロフィットシェア)を見込んでおり、これらを通じてグローバルな患者アクセスを拡大することを目指しています。同社はまた、研究開発資金の多様化を図るため株式市場だけでなく銀行融資や公的補助金の活用も計画しており、財務基盤の強化を進めています。

同社は技術革新を持続的な競争力の源泉と捉え、量産化を見据えた製造技術の開発と知財の活用・他社連携を進めています。具体的施策としては、大量生産に適した工程の確立や品質管理体制の整備、プラットフォーム技術の外部ライセンス展開を想定した知財戦略の強化を行っています。また、臨床開発の加速に向けて治験実行体制の強化、人材育成とコーポレートガバナンスの整備を並行して進め、長期的な事業基盤の構築を目指しています。