MFSJP:196A

時価総額
¥24.7億
PER
16.7倍
住宅ローン媒介と投資用不動産仲介の有力企業。『モゲチェック』『INVASE』などのオンラインでの住宅ローン審査申込や投資用物件仲介サービスを展開。2015年8月のサービス開始、2023年6月期からマージン確保。日本国内で展開。

事業内容

MFSは、テクノロジーとデータ分析を使って住宅ローンや不動産投資向けのオンラインサービスを提供する会社です。同社はウェブとスマホアプリで「モゲチェック」を運営し、ユーザーに対して借入可能額や最適なローン商品を提案し、審査申込や借り換えの手続きをオンラインで簡便にしています。チャットサポートや金利予測、物件の将来価値提示などでユーザーの意思決定を支えています。

主要な顧客は住宅購入者や不動産投資家、提携する不動産会社や保険代理店、そして銀行やその広告代理店です。同社の収益は主に、ユーザーが銀行に審査申込を行った際に銀行や広告代理店から受け取る申込手数料、提携先への紹介手数料との差額、さらに不動産仲介や借り換え時の成功報酬などで構成されています。

事業は「モゲチェック事業」と「INVASE事業」に大別されます。モゲチェック事業は住宅ローンの提案・クイック申込・会員向け情報提供を通じて審査申込数を拡大するモデルで、INVASE事業は投資用物件の仲介や不動産投資用ローンの媒介、バウチャーによる物件紹介や成約時の仲介手数料、借り換え成功時の報酬で収益を上げており、連結子会社が仲介業務を担っています。

経営方針

同社は「テクノロジーと分析の力でユーザーにパワーを」というミッションのもと、持続的な売上成長と営業利益の確保を目指しています。主要な評価指標として売上高・営業利益を重視するほか、サービスサイトへのアクセス数や会員登録数、住宅ローン審査申込数とその成長率、1申込当たりの手数料や顧客獲得コストといった数値を重視しており、2025年6月期に黒字化を達成したことを踏まえてさらなる収益化を図っています。市場環境も追い風で、国内の住宅ローン新規貸出額は2018年の19.4兆円から2023年の20.3兆円へ約4.3%増加しており、住宅ローン減税の延長(2025年中の購入者まで適用、減税期間の最長化により最大2038年までの需要喚起が見込まれる点)などで需要基盤は底堅いと見ています。

重点投資分野としては、主力のモゲチェック事業とINVASE事業の強化に資金と人材を集中させています。具体的にはオンライン広告の強化やサービス導線の改善、セミナー開催による認知拡大、提携不動産会社や保険代理店との連携拡大(提携は2022年7月以降に拡大、2023年から保険代理店と連携)を進め、審査申込数やバウチャー利用数、借り換え本審査承認数、投資用物件の契約数の増加を狙っています。差別化要素としては、個人の信用力を定量的に算出する特許技術(特許番号7366355号)を用いたオーダーメード型の提案、複数銀行への一括クイック申込、そして人とAIを組み合わせたチャットサポートを挙げており、広告ベースの比較サイトと比べて実際の申し込み・決済まで繋げられる点を強みにしています。

新市場開拓と事業拡大に関しては、まず既存チャネルの深耕を重視し、提携不動産会社の数を増やすことで住宅ローン利用者との接点を拡大する計画です。INVASE側では営業体制の強化とバウチャー施策で物件紹介から成約までの導線を太くし、仲介手数料や成約時の成功報酬を拡大していく方針です。事業拡大に伴う先行投資については、今後の資金需要に対応するため金融機関からの借入も検討しており、採用強化による開発・営業人員の増員とマーケティング投資を通じて、売上成長による継続的な黒字化を目指しています。

技術革新への取り組みでは、AIやクラウド、ウェブ・モバイル両面での使いやすさ(画面設計や操作性)に投資し、ビッグデータ解析を活用した信用力分析や金利予測機能の高度化を進めています。具体的施策としては開発人員の増員、顧客体験を高めるUI/UX改善、情報セキュリティ体制の強化や内部統制の整備を挙げており、個人の信用情報を扱う事業特性上のリスク低減にも注力しています。これらにより付加価値の高いサービス提供で利用率と手数料収入を高め、営業利益率の改善を図ることを同社は目指しています。