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D&MカンパニーJP:189A
事業内容
D&Mカンパニーは医療機関や介護事業者向けの経営サポート事業を営んでおり、ファイナンスと投資(債権買取や機器リース)、経営コンサルティング、そして人材・業務アウトソーシングの三本柱でサービスを展開しています。 同社はコンサルティングで課題を洗い出し、資金支援や人材提供を組み合わせて顧客の経営改善を図っています。
主要な顧客は病院、診療所、介護施設や調剤薬局などの医療・介護事業者で、収益は診療・介護報酬債権の買取手数料、リース料、コンサルティング料、人材紹介手数料、派遣・アウトソーシングのサービス料で構成されています。 同社は保険者からの診療報酬入金を基に買取分を差し引いて顧客に支払う仕組みを持ち、継続的な資金供給と手数料収入を得ています。
事業の内訳では、F&Iサービスが債権買取(確定債権に加え将来債権も積極的に買取る点が特徴)と医療用機器等のリースを担い、同社の買取残高に占める将来債権の割合は高水準(2025年5月末で約60.6%)です。 C&Brサービスは経営診断からコスト削減、必要時のハンズオン支援まで行い、HR&OSサービスは経営層・管理者の紹介、事務やヘルパー系の派遣、経理・労務等のアウトソーシングを一体的に提供して付加価値を高めています。
経営方針
D&Mカンパニーは、医療機関や介護事業者向けに資金支援と経営サポート、人材支援を三本柱として展開しており、売上高・経常利益・取引社数・投資資産残高の対前年増加率を成長指標とし、営業利益率と自己資本比率を収益性・安全性の重要指標としています。現状は178社と取引し、そのうち78社で債権買取を行っており、F&I(債権買取・機器リース)における将来債権の比率は2025年5月時点で約60.6%です。同社は、これらの指標を改善して安定的な増収増益と取引先基盤の拡大を目指しています。
同社が重点投資する分野は、債権買取を核とした資金提供(F&I)、現場に入り込んだ経営支援(コンサルティング)、人材供給と業務受託(人材・アウトソーシング)です。特に差別化戦略として、単なる仲介に留まらず資金支援と経営再編支援を一体で提供し、顧客と「同じ船」に乗って事業再編を支援する点を打ち出しています。具体的施策としては、上場による直接金融の活用に加え、金融商品取引業登録や不動産特定共同事業者許可の取得を進め、銀行依存を下げるためのファンド組成やソーシャルレンディング活用にも投資しています。同社は、これらで資金調達手段を多様化し、コンサルティングの質を高める人材採用・教育にも注力しています。
新市場開拓と事業拡大では、既存の顧客ネットワークをプラットフォーム化して新規顧客を獲得し、顧客一社あたりの提供サービスを増やすことで顧客単価を引き上げる計画です。短期的には経営診断やコンサルティングを起点に紹介や業界団体参加、ウェブ戦略で新規取引先を増やし、中長期的にはM&A(企業の合併・買収)支援を資金面から伴走する形で強化します。人材面では、介護業界の人手不足対策として海外からの就労支援を飛躍的に増強し、現地の教育機関や関係機関と連携して事前研修や生活支援を含めた仕組みづくりを進めることで、新たな人材市場を開拓することを目指しています。
技術革新への取り組みとしては、医療・介護分野で遅れている業務のデジタル化(DX)支援を重点化し、リモート診療や業務のIT化、購買の見直しなどでコスト削減を図ります。具体的には、顧客向けに業務の外部委託(会計・労務等)のデジタル化を推進し、プラットフォーム上で資金・人材・業務を一貫提供できる体制を整備する方針です。また、外部依存を下げるため自社で完結する資金調達やサービス提供の仕組みを整え、これらの技術・業務面の投資を通じて業務効率とサービス品質の両面で競争力を高めることを同社は目指しています。