田辺工業JP:1828

時価総額
¥263.6億
PER
9.6倍
設備工事事業や表面処理事業、鋳造用工業炉の製造・販売を手がける田辺工業株式会社。

事業内容

田辺工業は、主に設備工事事業を中心に多様な事業を展開しています。日本国内では、産業プラント設備工事、設備保全工事、電気計装工事、メカトロニクス、送電工事、管工事を手がけています。これらの事業は、化学、医薬、食品、公共施設など多岐にわたる分野での設備設計、施工、保全を行っています。

海外では、シンガポールとマレーシアを中心に設備工事事業を展開しています。タナベエンジニアリングシンガポール社とタナベテクニカルサービスマレーシア社がそれぞれの国でプラント設備の設計、施工、メンテナンスを行っています。また、タイではタナベエンジニアリングアジア社が同様の事業を展開しています。

さらに、田辺工業はタイ国内で表面処理事業も行っています。タナベタイランド社がこの事業を担当し、表面処理技術を提供しています。また、同社はメカトロニクス分野でも活動しており、機械装置の設計、製作を行っています。

その他の事業として、田辺工業は鋳造用工業炉の製造・販売を行っています。しかし、この事業は2025年12月31日をもって廃止される予定です。これにより、同社は今後の事業戦略を再構築し、新たな成長分野に注力することが期待されます。

経営方針

田辺工業は、経営理念として「お客様・従業員・株主・業務関係者そして社会の、みんなに喜ばれる親切で的確な仕事をしよう」を掲げ、技術を通じて社会の発展に貢献することを目指しています。同社は、製造設備やインフラ設備の企画からメンテナンスまで一貫して対応し、技術力と総合力の強化を通じて企業価値を高めることを基本方針としています。

田辺工業は、国内外の不透明な経済環境に対応するため、中期経営計画「TRY2030」を策定しました。この計画では、2030年までに連結売上高700億円、営業利益率8%以上、ROE12%以上を目指しています。成長戦略として、国内事業の進化、海外事業の再生、新規事業の探索を掲げ、持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指しています。

国内事業では、大型・高レベルのEPC案件の拡大を図り、地域エリアや事業領域の拡大を進めています。特に、メカトロニクス部門では、オーダーメイドの自動機やロボットを活用した生産システムの開発を強化し、着実な成長を目指しています。これにより、安定した収益基盤の確立を図っています。

海外事業の再生においては、タイ、シンガポール、マレーシアを中心に事業を展開し、特にタイではEV化に伴う電子部品の表面処理需要を取り込む新ラインを設置しています。また、バンコクビジネスセンターを拠点に市場開拓を進め、グループシナジーの創出を目指しています。

新規事業の探索では、オリジナル製品の開発に注力し、AGVや薬液充填ロボットセルなどの製品を提供しています。さらに、デジタル技術を活用した新ビジネスモデルの構築を進め、プロダクト開発部を設立して市場のニーズに応える製品・ソリューションの開発を推進しています。

組織戦略としては、人材基盤の強化やコーポレートガバナンス体制の強化を図り、効率的な働き方を追求しています。ESG対応や財務基盤の強化にも取り組み、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長を両立させることを目指しています。