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SBIレオスひふみJP:165A
事業内容
SBIレオスひふみは投資運用を主力とする会社で、主に「ひふみ」ブランドの投資信託を中心に運用・販売を行っています。投資一任契約による資産運用や未上場株式への投資を行うベンチャーキャピタル、金融教育コンテンツや寄付プラットフォームの運営なども手がけています。
同社の主要な顧客は個人投資家と機関投資家に分かれ、個人向けは自社口座での直接販売と銀行や証券会社を通じた間接販売を通じて集客しています。収益は運用資産残高に応じた信託報酬や投資顧問報酬、運用成果に応じた成功報酬が中心で、間接販売では販売会社への代行手数料を差し引いた形で収益を得ています。
事業は投資信託委託業務、投資顧問業務、ベンチャーキャピタル業務、その他の四分野で構成されており、投資信託では国内株式、海外株式、複合資産(バランス型)、確定拠出年金向けなど多様なファンドを運用しています。代表的な商品には「ひふみ投信」「ひふみプラス」「ひふみワールド」「ひふみクロスオーバーpro」や「まるごとひふみ」シリーズなどがあり、直接販売や長期保有優遇の料金体系で顧客との関係を深めています。
経営方針
同社は「資本市場を通じて社会に貢献する」という理念の下、長期的な資産形成の普及と運用資産残高(AUM)の拡大を成長の最重要目標に掲げています。具体的には「日本一のつみたて口座数」を目指し、運用資産残高を経営判断の主要指標と位置づけています。日本の家計における投資信託の比率が2024年3月時点で5.4%にとどまる一方、NISA口座は2025年3月末で約2,646万口座に達しており、同社はこうした制度の普及や投資環境の変化を取り込みつつ、戦略的なM&A(合併・買収)や事業投資を通じて顧客基盤と収益基盤の拡大を図っています。
同社は運用商品の差別化を重要視しており、「ひふみ」ブランドを中核に据えて長期・積立投資に適した商品設計を進めています。具体的な施策としては、国内外の株式を中心とする運用ノウハウを磨きながら商品の日々の改良を続け、長期保有を促す料金体系や直販チャネルによる顧客との直接的な関係強化、銀行や証券会社を通じた間接販売との連携で幅広い層を取り込む方針です。こうした運用面と販売面の両輪で、投資初心者にも分かりやすく安心して任せられる商品群を提供することで他社との差別化を図っています。
同社は新市場開拓と事業領域の拡大にも取り組んでいます。オンラインでの金融教育事業を担う子会社フィナップを2024年11月に設立し、投資リテラシー向上を通じて新規顧客を獲得する戦略を進めています。また、寄付プラットフォーム運営の子会社Kiffyを2025年3月に設立し、資産形成で得た利益の一部を社会還元する仕組みづくりを進めるなど「共助」の仕組みを拡充しています。加えて未上場株への投資や少額出資、ファンド出資を通じたベンチャー支援を行い、持株会社体制(2024年4月移行)を活用したグループシナジーとM&Aによる収益の多様化を図っています。
同社は技術と内部管理の強化により事業の拡張を支える方針です。具体的には、オンライン教育プラットフォームやデジタルでの口座開設・つみたて開始の利便性向上、寄付ポートフォリオのデジタル化といった顧客接点のデジタル化を推進しています。併せて持株会社化に伴う子会社管理や法令遵守の強化のため、グループ全体での情報共有基盤の整備や内部統制システムの強化、人材育成に投資することで、運用品質と業務の安全性を高め、持続的な成長を目指しています。