ハッチ・ワークJP:148A

時価総額
¥40.8億
PER
15倍
月極駐車場管理とビルディングサービスの有力企業。月極駐車場検索ポータル「アットパーキング」(掲載5万4千箇所・2024年12月末)とオンライン管理クラウドを展開。東京・横浜・大阪を中心に会議室・オフィスサービスを展開。

事業内容

ハッチ・ワークは、駐車場と商業用スペースの運営・管理を軸に、ITを活用したサービスを展開する企業です。同社は月極駐車場のオンライン管理や検索・仲介、貸会議室やコミュニティオフィスといった空間サービスを主力で提供しています。

主要な顧客は駐車場オーナーや管理会社、駐車場利用者、会議室やオフィスを利用する企業・個人、ビルオーナーなどです。同社は管理会社からのシステム利用料や決済手数料、利用者からの初回保証料や月額保証料、契約成立時の仲介手数料、さらにサブリースや会議室・オフィス運営による利用料や委託収入で収益を上げています。

事業は大きく月極イノベーション事業とビルディングイノベーション事業の二つに分かれています。前者では管理会社向けの「アットパーキングクラウド」や検索ポータル「アットパーキング」、一括借り上げによるサブリースを手がけ、後者では貸会議室「アットビジネスセンター」や会議室シェア、ミドル向けコミュニティオフィス「インスクエア」やビルのプロパティマネジメント・メンテナンスを提供しています。

経営方針

同社は売上高の拡大と利益体質の強化を中長期の最重要目標としています。判断のための主要指標として「売上高・経常利益・当期純利益の成長率」を掲げ、月極イノベーション事業の核である「APクラウド登録台数」をKPIに設定しています。APクラウドの登録台数は2024年12月末時点で374,032台に達しており、乗用車保有台数約6,197万台(2024年3月末)に照らすと市場の拡大余地は大きく、同社はここへの導入拡大を通じて売上とマージンの両立を図ることを目指しています。

同社は重点投資領域をAPクラウドと検索ポータル「アットパーキング」、および貸会議室等のスペース事業に置いています。具体的施策としてはポータルのリニューアルによる利用者利便性向上、営業体制の強化と広告・広報投資、管理システムの機能追加、対話型AIを用いた顧客対応の自動化を進めています。決済代行と滞納保証の組合せで管理会社の入金管理負担や未回収リスクを軽減する仕組みを提供する点を差別化要因とし、満空情報や契約データを連動させる機能(例:「アキマチ」)で稼働率改善につなげています。

同社は新市場開拓として、駐車場データを基軸にした高付加価値サービスの展開を目指しています。EV充電設備付き駐車場「アットパーキングEV」や短期貸し「ウィークリー」といった未稼働区画の活用、他企業データとの連携による新収益モデル構築、「住宅地の月極駐車場をモビリティのハブとするFirst One Mile Station」構想などを進めています。また、ビルディングイノベーション側では大都市圏での新規会場開発や不採算店舗の見直しを行い、市場状況に応じた出退店を実行する方針です。

同社は技術革新を経営戦略の中核と位置付けています。2020年に開始したオンラインでの申込・契約・決済の完全オンライン化をさらに進化させ、予約システム(MICE Platform)の改良やデータ分析基盤の整備でKPI(登録台数、決済代行台数、滞納保証台数)を月次で追跡します。加えて業務の自動化やITによる工数削減、現場のOJTや訓練によるオペレーション品質向上を組み合わせることで、顧客満足度と業務効率の両面を同時に高めることを目指しています。