HUBSPOT INCHUBS

時価総額
$198.1億
PER
統合カスタマープラットフォームの最大手。AI搭載のSmart CRMとエンゲージメントHubを展開。2024年売上26億ドル、2023年にClearbitを1億4040万ドルで買収、2024年にCacheflowを4040万ドルで買収。135カ国以上で展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
102文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
5社)
同業種の日本企業
3社)

事業内容

HUBSPOT INCは、企業が顧客を呼び込み、育て、維持するための統合型カスタマープラットフォームを提供する会社です。同社は中心となるSmart CRMで顧客データを一元管理し、使いやすい単一の画面とログインでマーケティングや営業、カスタマーサービスなどの機能を連携させています。

同社の主要顧客は従業員数が概ね2〜2,000人の中堅B2B企業で、収益は主にサブスクリプション型の定期課金が中心です。フリーミアムで導入を促し、必要に応じて上位プランや決済・請求などの付加機能をアップセルするモデルを採用しており、世界135カ国以上で約24.8万社の顧客を抱え、2024年の総収益は約26億ドルでした。

同社の事業は、顧客との接点を支えるエンゲージメント機能(マーケティングや営業、顧客対応、業務管理、コンテンツ、コマース)と、AIを活用したSmart CRM、そして外部アプリやソリューションパートナーによるエコシステムで成り立っています。データ強化や請求・決済機能を強化するためにClearbitやCacheflowといった買収を取り込み、パートナー経由の導入も収益に大きく貢献しています。

経営方針

同社は持続的な売上・顧客基盤の拡大を最優先課題としています。2024年の総収入は約26億ドル、純利益は約460万ドル、顧客数は247,939社(135か国以上)に達しており、定期収益が売上の約98%を占めるサブスクリプションモデルを中核に据えています。成長施策としては、フリーミアムによる顧客獲得、ソリューションパートナー網の活用、既存顧客へのアップセルとクロスセルによって1顧客あたりのライフタイムバリューを高めることを目指しており、今後12か月で損益分岐点に到達する可能性もあると示しています。

同社は成長に向けた重点投資分野として、営業・マーケティング、人材育成と顧客サポート、研究開発、データセンターとインフラを挙げています。加えて、2023年に実施した約7%の人員削減やオフィス統合などのリストラで運用コストを圧縮しつつ(2023年のリストラ費用は約9,680万ドル、2024年は約400万ドル)、成長投資に振り向ける資金を確保することを目指しています。同社の差別化は「一つのプラットフォームでマーケティング、営業、サービス、コマースなどを統合し、顧客ごとの単一の管理画面(Smart CRM)で全活動を把握できる点」にあり、使いやすさと拡張性で中堅企業市場を狙っています。

同社は国際展開と機能拡張による事業拡大を積極的に進めています。2024年時点で顧客の約53%が米国外に所在し、海外顧客が総収入の約47%を生んでいるため、地域ごとの営業・マーケティング・プロフェッショナルサービス投資を強化して市場シェア拡大を目指しています。事業拡大の手段としては選択的な買収も活用しており、2023年にClearbit(B2Bデータ、買収対価約1.404億ドル)、2024年にCacheflow(課金・CPQ、買収対価約4,040万ドル)、2025年初にFrame AI(会話インテリジェンス、買収対価約6,000万ドル)を取得してプラットフォームのデータ力・コマース機能・会話解析能力を強化しています。

同社は技術革新、特にデータ活用と人工知能の実装に注力しています。Smart CRMとエンゲージメントハブにAI機能(Breeze CopilotやBreeze Agentsなど)を組み込み、会話や行動データを迅速に価値化することで顧客の業務効率化と意思決定支援を目指しています。基盤面ではクラウドとモダンな分散設計、マイクロサービスによるスケーラビリティを採用し、週次で数十億のデータポイントを処理する能力を維持するとともに、データ強化やAPI連携を通じて外部エコシステムとの統合を進めることを目指しています。