CORNING INCGLW

時価総額
$756.6億
PER
高性能ガラス・光通信・ディスプレイ基板の最大手。PYREX・Falconなどでライフサイエンス器具を展開。2021年にSamsung Displayから35百万株を約15億ドルで買戻し。米国・中国・フランス・メキシコ・ブラジル・ポーランド展開。

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企業概況
103文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
2項目)
ライバル企業
1社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

CORNING INCは高機能ガラスや特殊材料を中心に開発・製造する企業で、通信向けの光ファイバーやネットワーク機器、薄型ディスプレイ用の高性能ガラス、自動車向けのセラミック基材、研究用のラボ製品などを世界中に供給しています。同社は素材開発と大規模生産の強みを背景に、研究開発と知的財産で差別化を図っています。

主要顧客は通信事業者やディスプレイメーカー、自動車メーカー、半導体メーカー、製薬・バイオ企業、大学や研究機関など多岐にわたり、売上は主に製品販売によって構成されています。同社は代理店を含むグローバルな販売網と直接取引を組み合わせ、安定した供給と技術支援で顧客関係を維持しています。

事業は大きく、光通信、ディスプレイ技術、特殊材料、環境技術、ライフサイエンス、さらにヘムロックなどの成長事業に分かれます。光通信ではキャリア・企業向けのファイバーと関連機器を扱い、ディスプレイではフラットパネル用のガラス基板が中心です。特殊材料や環境技術は半導体や自動車向けの先端部材を提供し、ライフサイエンスでは実験器具や製薬向けガラス製品、ヘムロック系では高純度ポリシリコンなどの新興製品も手掛けています。

経営方針

同社は「Springboard」計画を成長の軸に据え、2026年末までに年販上で30億ドル超の追加売上を目指しています。あわせて営業利益率20%を目標としており、2024年には四半期ベースで売上と利益の増加を確認しました。2024年通期の売上は約131億ドル(13,118百万ドル)で前年から増加しており、2025年第1四半期のコア売上見通しは約36億ドルとしています。こうした数値目標を掲げ、既存資産の稼働で収益性を高めることを同社は目指しています。

同社は重点投資を光通信、ディスプレイ用ガラス、及び特殊材料に振り向けて差別化を図っています。光通信部門はデータセンター向けのAI関連接続製品の採用拡大により2024年に約4,657百万ドルへ16%増加し、ディスプレイ部門は大型化・高付加価値シフトと価格改定により約3,872百万ドルへ10%増となりました。特殊材料ではモバイル端末向けのプレミアムガラスや半導体向け製品が伸長しており、同社は独自の製造プロセスと素材設計で「より薄く、大きく、軽い」ガラスを安定供給する点で競合と差別化しています。

同社は新市場や事業拡大においても明確な計画を打ち出しています。生成型AIなどデータセンター需要を追い風に光通信を強化するとともに、ディスプレイやモバイル向けでより高い付加価値商品へシフトしていく方針です。一方で、ヘムロックの多結晶シリコン事業は2024年に販売量と価格の下落で減収となるなど事業ごとに環境は異なりますが、同社は営業キャッシュフローと手元資金、既存の融資枠で設備投資やM&A、株主還元(2019年認可の買戻し枠で約31億ドルが未使用)を賄える流動性を確保していると説明しています。

技術革新に対する取り組みとして、同社は研究開発と特許の積極的な展開を継続しています。2024年の研究開発費は約10.9億ドル(売上比約8%)で、同年には米国で約490件、海外で約1,240件の特許を付与され、保有特許は世界で約1.2万件、出願中の件数も約5,880件あります。これにより同社は材料科学と量産技術の優位性を維持し、新製品の商用化と長期的な競争力確保を同社は目指しています。