GLOBAL PARTNERS LPGLP

時価総額
$14.9億
PER
精製油製品の流通・ターミナル運営の大手。ガソリン小売店とターミナルサービスを展開。2023年12月に約3.132億ドルで25端末(総容量約840万バレル)を買収。2024年11月に約2.151億ドルで1端末を買収。米国東海岸・南部中心の展開。

事業内容

GLOBAL PARTNERS LPは、精製石油製品を中心に調達・貯蔵・混合・輸送・販売を行うエネルギー流通会社です。同社はガソリン販売やコンビニエンスストア運営のほか、液体燃料ターミナルの所有・運営や海上向けのバンカリングなどのサービスを展開しています。

同社の主要顧客は、個人の車両利用者やコンビニ利用者、ガソリンスタンド運営会社、そして公共機関や大口の商業・産業顧客です。収益は燃料販売のマージン、コンビニ商品の売上、ターミナルや貯蔵スペースのサービス料および長期供給契約からの収入で成り立っています。

事業は大きく卸売、ガソリン配布とステーション運営、商業向け販売のセグメントに分かれています。卸売ではターミナル運営や混合・供給を行い、ステーション部門は直営店やフランチャイズ店の運営を担い、商業部門は暖房油やディーゼル、残油、船舶用燃料などを大口で販売しています。同社は端末の買収や共同事業への出資を通じて供給網を拡大し、季節変動や市場価格の変動に合わせた在庫管理や価格保護の取り組みを行っています。

経営方針

同社は外部成長と資本効率の向上を成長戦略の柱としています。具体的にはターミナルや貯蔵容量の増強、流通・小売網の拡大を通じて収益基盤を拡大することを目指しています。直近ではモティバから25か所、総貯蔵容量約840万バレル相当のターミナルを約3.13億ドルで取得し、さらに2024年11月にエクソンモービルから貯蔵能力約95.9万バレルのターミナルを含む取得を行うなど大規模な資産投資を実行しました。資金面では、2024年1月に残存期限2032年の8.25%社債を4.5億ドルで発行し、また借入枠を合計約15.5億ドルに設定するなど、成長投資を支える資本政策を重視しています。

同社は貯蔵・端末事業、卸売・商業販売、及び小売ガソリンステーションの三本柱に重点投資をして差別化を図っています。具体的施策として、専用在庫を確保するために47か所で自社ターミナルを保有・運営し、さらに7か所で専用保管枠を確保しており、供給の安定性と即応性を武器に価格変動下でもマージンを守ることを目指しています。加えて、顧客との長期契約やターミナルの地理的配置(北東部、南部、テキサス等の海岸沿い)を活かして物流での優位性を築き、在庫管理では先物を含むヘッジ取引を用いて価格リスクを管理しています。

同社は新市場開拓と事業拡大に積極的であり、買収と合弁の双方を用いて展開しています。近年の買収に加え、Everettへの最大3,000万ドルの出資で30%の持分を獲得するなど不動産型のジョイントベンチャーも推進しており、SPRへの約6,950万ドルの出資で49.99%の持分を保有するなど地域拡大を図っています。事業統合面では、2023年12月に取得した25ターミナルの統合作業を完了し、2024年には北東部でさらに5ターミナルを取り込むなど、買収後の早期統合によるシナジー創出を重視しています。加えて、将来の成長は「収益を改善する買収」や「採算性の高い自社開発」に依存すると明言しており、資本コストを踏まえた慎重な案件選定を行っています。

同社は技術革新を通じて運用効率と安全性の向上を目指しています。情報技術と制御系の両面でサイバー対策を強化し、インシデント対応計画は年1回以上の実運用検証(テーブルトップ演習)を行い、取締役会へ少なくとも年1回報告する体制を整えています。脆弱性の定期検査、外部専門家による侵入試験、従業員向けのセキュリティ教育、クラウドやデータ分析の活用により在庫管理や需給予測の精度向上を図り、業務継続計画や災害復旧の整備と合わせて事業リスクの低減を進めています。