Genpact LTDG

時価総額
$83.6億
PER
先進技術を活用したグローバルなビジネスサービスの大手。グローバルGBS、デジタル運用、サプライチェーンや金融・ヘルスケア向けコア業務を展開。2024年の純売上高は48億ドル、2025年2月に買戻枠を5億ドル拡大。従業員約14万人、35カ国超で展開。

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企業概況
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業績概況
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1項目)
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3社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

Genpact LTDはグローバルな先進技術サービスと業務運用の企業で、企業の財務やリスク管理、供給網などの中核業務をデジタルとプロセス改善で再設計・運用しています。主力サービスはデジタルオペレーション(Finance & Accounting やリスク管理)、データとAIを活用したソリューション、そしてグローバルビジネスサービス(GBS)やグローバル能力センター(GCC)の立ち上げ支援などです。

同社は約14万人の従業員が35カ国以上で約800の顧客にサービスを提供しており、顧客にはフォーチュン・グローバル500の約4分の1を含む大手企業が多く含まれます。収益は2024年で約48億ドルで、契約はマスターサービス契約に基づく長期の作業指示書(SOW)や、データ・AI領域ではSaaS型やコンサル契約が中心です。

事業は大きく金融、消費財・ヘルスケア、ハイテク・製造の三つの業界セグメントに分かれ、それぞれに特化した業務運用を提供しています。具体的には、GBS/GCCの戦略立案・移行支援、人事の変革支援、調達と供給網の最適化、営業・マーケティングと顧客体験の改善、保険・医療の請求処理や医薬の規制対応、ハイテクのカスタマーケアや信頼性運用など、業界固有のプロセスをデジタルと自動化で改善しています。

経営方針

同社は2024年に売上高48億ドル(前年比6.5%増、為替影響を除くと6.7%増)を計上しており、これを基盤に「業界特化×先端技術」による持続的成長を目指しています。長期契約(MSAは概ね3〜7年、SOWは2〜5年が多い)を軸に、マネージドサービスの安定収益と、短期のコンサルティングや高付加価値のData‑Tech‑AIサービスの拡大で収益ミックスを高めようとしています。株主還元では四半期配当を2025年は年0.68ドルに引き上げる計画を示し、買戻し枠も既存の2.25億ドルから追加で5億ドルを承認して合計27.5億ドルに拡大するなど、キャッシュ配分を通じて投資家還元と成長投資の両立を図っています。

重点投資分野はデジタルオペレーション、データとAIを軸にしたサービス、サプライチェーン・調達、ファイナンスやリスク領域などのコア業務です。差別化の手段として同社は業界ごとの深いドメイン知見を活かした「業界特化モデル」を採用しており、2024年の事業別売上ではハイテク・製造が約17.9億ドル(37%)、コンシューマー・ヘルスケアが約16.9億ドル(36%)、金融サービスが約12.9億ドル(27%)と、各業界向けに標準化・再利用可能なソリューションを展開して収益性向上を図っています。加えて「Genpact Virtual Captive」のように顧客の専用チームや作業環境を仮想的に提供する運用モデルで、顧客に密着した運用力を差別化の源泉にしています。

新市場開拓と事業ポートフォリオの最適化にも取り組んでおり、顧客基盤は800社超、フォーチュン・グローバル500の約4分の1を顧客に抱える規模を活かして横展開と深耕を進めています。地理的には35カ国以上にサービスを提供し、20カ国超にデリバリー拠点を持つ体制でロケーション戦略やグローバル能力センター支援(GCCアドバイザリー)を強化しています。過去には非中核事業の売却でポートフォリオを集中させた実績があり、今後もM&Aや提携を通じて成長領域への選択的投資を続ける計画です。

技術革新への取り組みでは、生成AIやエージェント型AIを含む先端技術をサービスに組み込み、SaaS型提供やコンサルティングを組み合わせた「Data‑Tech‑AI」提供モデルを推進しています。知的財産は特許70件超、商標200件超を保有し、主要テクノロジー企業や新興ベンダーとの提携で技術エコシステムを拡大しています。人材面では従業員約14万人を抱え、スキルの再教育と採用で高度人材確保に注力する一方、2024年の離職率は24%と高水準であるため、育成・定着施策やサイバーセキュリティ体制の強化を含めた組織投資を継続しています。