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FAIR ISAAC CORPFICO
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事業内容
FAIR ISAAC CORPは、信用評価の代表的な指標であるFICOスコアをはじめ、企業の与信判断や不正検知、顧客管理を支援する分析ソフトやモデルを開発・販売する企業です。同社はデータ解析に基づくスコアリングや意思決定プラットフォームを主力に、金融機関が日々の取引や与信判断で使うツールを提供しています。
主要顧客は銀行やカード会社、貸金業者などの金融サービス業で、売上の大半がこの分野から発生しています。同社は信用情報機関を通じたスコア販売や企業向けソフトのライセンス・サブスクリプション、コンサルティングや導入支援といったサービスで収益を得ており、消費者向けの有料サービス(myFICO)も一部の収入源になっています。
事業は大きく「スコア」セグメントと「ソフトウェア」セグメントに分かれており、スコア部門では信用評価モデルの提供と第三者へのライセンス供与を行っています。同社のソフトウェア部門ではFICOプラットフォーム上での意思決定ソリューションや不正対策、債権回収支援などをクラウド型とオンプレミス型で展開し、導入・運用支援や保守といった付随サービスも提供しています。
経営方針
同社はプラットフォーム優先の成長を目指しています。具体的には、自社製ソフトの多くを「FICO Platform」で稼働させ、クラウドを通じて複数の製品を連携販売することで顧客あたりの利用拡大と継続的な収益の拡大を狙っています。実績面では2024会計年度にセグメント合計の営業利益が約7億3,363万ドルに達し、Scores部門の売上は約9億1,965万ドル、Software部門の売上は約7億9,788万ドルと成長しました。株主還元では取締役会が上限10億ドルの自社株買いプログラムを承認しており、手元現金約1億5,067万ドルと600百万ドルのコミットされたリボルビング・クレジットで資本政策を支えています。
同社は投資の重点をプラットフォーム、解析機能、データ資産に置いて差別化を図っています。具体的には、より予測性の高い「FICO Score 10」「10T」や、代替データを使った現金流のトレンド指標、UltraFICOやFICO Score XDによるスコアの重ね合わせ(スコア・レイヤリング)などを開発・提供し、従来の信用情報だけに頼らない与信判断を可能にしています。また販売面では自社直販に加え代理店や提携先を通じた間接チャネルを強化しており、顧客の業種・規模を広げることで競合他社との差別化を図っています。
新市場開拓と事業拡大は地理的・用途面の両方で進められています。短期的には北米でのデジタル化需要をとらえることに注力しつつ、海外展開も推進しており、たとえばウクライナの信用データに基づくスコアをポーランドで利用可能にするなど地域間での移植性を高めています。加えて、金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)を目的とした教育プログラムやリスク・インデックス(FICO Resilience Index)の普及にも取り組み、既存顧客への新しいユースケース提供と新規顧客獲得を図っています。
技術革新については人工知能や高度な解析技術を取り込むことを重視しています。同社は製品をクラウド化して運用解析や意思決定を自動化する取り組みを進める一方、生成系を含むAI技術の急速な進化に対応するため研究開発を継続的に投資しています。具体策としてはFICO Platform上での新機能追加、代替データやトレンド属性の導入、サイバーセキュリティや運用ガバナンスの強化を掲げており、これらを通じて顧客の業務をリアルタイムで支援する基盤構築を目指しています。