- 米国企業
- DAQO NEW ENERGY CORP.
DAQO NEW ENERGY CORP.DQ
事業内容
DAQO NEW ENERGY CORP.は太陽光発電向けの高純度ポリシリコンを製造し、主に太陽電池やモジュールの原料を供給する企業です。同社は原料調達から生産、出荷までの一貫した生産体制を持ち、生産設備の設計やライン導入を技術チームと協働して最適化しています。
主要顧客は中国国内のシリコンウエハー製造業者や垂直統合型の太陽光メーカーで、売上の大半を限られた大口顧客が占めます。同社の上位3顧客による収益比率は2022〜2024年で約54〜64%台で推移しており、販売は枠組み契約が中心で価格は受注時の市場価格に応じて決まります。
事業セグメントは主にポリシリコン製造で、製造拠点は新疆や内モンゴル、重慶など複数あります。同社は品質管理に注力し、出荷品のサンプル保存や追跡管理、ISO 9001認証の取得を行うほか、約800名規模の研究開発チームと地域ごとの営業チームで技術改善と供給調整を進めています。
経営方針
同社は生産規模の拡大を軸に成長を実現する戦略をとっています。直近では2022年に132,909トン、2023年に200,002トン、2024年に181,362トンのポリシリコンを販売し、生産能力は段階的に拡大してきました。具体的には2022年1月に年産名目能力を105,000トンに引き上げ、2023年中に205,000トン、さらに2024年の第3四半期には305,000トンへと増強しています。同社はこれらの規模の拡大によって1キロ当たりの製造コストを下げ、競争力と利益率の改善を目指しています。
同社は重点的にポリシリコンの製造ラインと原材料・設備の調達に投資しています。コスト低減のため中国国内の機器供給業者と協力して装置を調達・設計し、技術チームが現地で据え付けとプロセス最適化を監督する体制を敷いています。品質面では原料の入荷段階から各工程での検査、反応炉ごとの製品サンプル保管と製品追跡システムの運用、ISO認証の維持など具体的な管理策を実施しており、これらを差別化要因として安定供給と信頼性を高めることを目指しています。
事業拡大では新疆や内モンゴルでの増設プロジェクトを中心に進めており、資金調達面でも実績があります。例えば、現地関連会社の新規株式発行で約110億元(人民元)を調達し、包頭での増設に充当しました。販売面では中国国内の主要ウェハーやセル・モジュールメーカー向けに枠組み契約で供給を確保する一方、営業組織を全国に配置して需要の取り込みを図っています。同社は既存の顧客集中リスクや物流・電力供給の課題を認識しつつ、地理的な生産基盤の強化で市場シェアの拡大を目指しています。
技術革新への取り組みとして、同社は研究開発チームに力を入れており約822名の研究者・技術者を擁しています。設備ベンダーと共同で生産プロセスの最適化を進め、原料分析や工程内検査を通じて歩留まりと純度の向上に取り組んでいます。さらに半導体向け高純度品の開発など新製品領域に挑戦する意向を示す一方で、当該分野の経験が限定的である点を認識しており、実用化に向けた技術投資と試験生産を重ねることで実現を目指しています。