Datadog, Inc.DDOG

時価総額
$504.2億
PER
クラウド/ITインフラ向けオブザーバビリティプラットフォームの最大手。APMやログ管理、クラウドセキュリティ、LLM Observabilityなど統合製品を展開。2019年のIPO、2022〜2024年に複数買収を実施。2024年12月31日時点で約3万社の顧客を擁し米国発で世界展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
110文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Datadog, Inc.はクラウド上や社内のソフトウェアとインフラの稼働状況をリアルタイムで監視・可視化するクラウドサービスを提供しています。同社の主力はアプリケーション性能監視(APM)、インフラ監視、ログ管理、ユーザー体験監視やクラウド/アプリのセキュリティ機能などを統合した観測プラットフォームで、問題の検知から原因解析、運用の自動化まで支援しています。

主要顧客は大企業からクラウドを活用する中小企業まで幅広く、2024年末で約3万社の顧客基盤があります。同社はサブスクリプション型の利用課金を中心に収益を上げ、導入後の利用拡大や複数製品の横展開によるアップセルで売上を伸ばしています。

事業はモジュール式のプラットフォーム構成で、顧客は必要な機能を単独で使ったり、複数を組み合わせて相互に連携させたりできます。850以上の外部連携を持ち、自己導入型の利用や地域別の営業・パートナーチャネルで国際展開を進めつつ、研究開発投資でAI関連の監視機能など新機能の強化も図っています。

経営方針

同社は売上成長と顧客基盤の拡大を両輪に事業を伸ばすことを目指しています。直近では2024年の売上高が約26億8,430万ドルとなり、2023年比で約26%の成長を達成しており、顧客数は2023年の約27,300社から2024年に約30,000社へ増加しました。ビジネスモデルはサブスクリプション中心で、既存顧客への追加販売で収益を伸ばす「ランド・アンド・エクスパンド」を重視しており、2024年は営業キャッシュフロー約8.71億ドル、フリーキャッシュフロー約7.75億ドルといったキャッシュ創出力も高まっています。

同社は成長を支えるために技術基盤、製品開発、営業・マーケティング、国際展開、M&Aなどに重点投資しています。研究開発部門は約3,100人、営業・マーケティング部門は約3,000人の体制を持ち、システムアーキテクチャや可用性、性能、セキュリティの強化に資源を割いています。差別化点は統合プラットフォーム性と導入のしやすさで、モジュール式の製品群とセルフサービス型の導入で「短期間で価値を提供」できる点を訴求しています。顧客の約83%が複数製品を利用し、約50%が4製品以上を活用するなどクロスセルが進んでおり、約850以上の接続機能で既存環境との連携を強めています。

同社は新市場開拓として国際展開を明確に掲げており、北米以外が売上の約30%を占める現状をさらに拡大する方針です。EMEAやAPACに重点投資を続け、アムステルダム、ダブリン、ロンドン、パリ、ソウル、シンガポール、シドニー、東京などに営業拠点を構えています。販売組織は大口顧客向け、内勤のハイボリューム獲得、カスタマーサクセス、パートナー担当に分かれ、無料トライアルやイベントでの認知拡大を通じて新規獲得と既存拡大を図っています。また、戦略的な買収や投資も継続検討しており、資金面では2024年12月の転換社債発行で約9.79億ドルの純収入を確保しており、成長投資の余地を拡大しています。

技術革新への取り組みでは、プラットフォーム機能の拡充とAI対応が目立ちます。同社は過去数年でアプリケーション監視やログ管理、セキュリティ、クラウドコスト管理など多くの機能を順次投入してきており、2024年にはイベント管理や大規模言語モデル(LLM)向けの観測機能を新たに提供しました。これらはAIや自動化による運用の効率化を支援するもので、アラートのノイズ削減やモデルごとの入力・出力やトークン使用量の可視化といった具体的機能を通じて、顧客が本番AIシステムを安全に拡大できるようにする狙いです。引き続きプラットフォームの拡張、性能・信頼性・セキュリティ投資を継続する姿勢を示しています。