CENTENE CORPCNC

時価総額
$198.8億
PER
政府系プログラム向けの保険・医療サービスの米国大手。統合型ケア、専門薬局、行動健康、視力・歯科サービスを展開。2025年にICHRA対象で6州にオフ・エクスチェンジ型プランを開始。米国中心の全国ネットワーク展開。

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企業概況
101文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
ライバル企業
5社)
同業種の日本企業
3社)

事業内容

CENTENE CORPは米国で公的保険を中心に展開する大手の医療保険・サービス企業です。低所得者向けの公的保険や高齢者向けのプラン、保険市場向けの個人プランを運営し、保険給付の管理と会員向けの医療支援を行っています。

主要な顧客は州や連邦の政府機関で、これらとの契約に基づく保険料収入が同社の収益の大部分を占めています。同社は加えて民間企業向けや個人向けの保険、専門薬局や行動医療などの付随サービスからも収入を得て収益源を多様化しています。

事業は保険事業のほか、専門薬局、精神・行動のケア、視覚・歯科サービス、地域の臨床提供組織や連邦向け支援サービスなど複数のセグメントで構成されています。同社は医師や地域組織と連携して会員ごとのケアマネジメントや予防プログラム、データ分析による質改善を進め、品質連動型やリスク共有型の契約を通じて医療の効率化と成果向上を目指しています。

経営方針

同社は持続的な会員増と収益成長を目指しています。直近の2024年は会員数が2,860万人と前年から110万人(約4%増)増加し、総収入は1,631億ドルで前年同期比6%の成長を記録しました。収益性改善も注力項目で、2024年の調整後希薄化1株当たり利益は7.17ドルと前年から約7%増加しており、医療給付にかかる比率(HBR)は88.3%、販売管理費比率は8.5%へ低下しています。株主還元では最大100億ドルの自社株買い枠を設定しており、2024年末時点で約22億ドルが残っているなど、資本配分を通じた価値向上も追求しています。

重点投資分野では、政府主導の公的保険(州メディケイドや連邦プログラム)向けの運営力強化と、医療の質・効率化に直結する現場支援に注力しています。同社は地域の医師ネットワークと協働して予防・慢性疾患管理や在宅ケアを進め、各会員に一人のケアマネジャーを割り当てる統合型ケアモデルを運用しています。さらに、診療データや処方データを用いて医療提供者に「ケアの抜け漏れ」やコスト指標を提示するポータルや分析ツールを整備し、品質認証(NCQA等)の取得や成果連動型の支払い契約を通じて他社との差別化を図っています。

新市場開拓と事業ポートフォリオの最適化も進めています。海外や一部専門事業の売却を実行して資本を効率化し、例えば薬局関連の事業などを売却した資金を成長分野へ再投資しています。加えて、従来の雇用主向け保険に代わる仕組みとして、雇用主が従業員の個別保険料を税制優遇で補助するICHRAs(個別払い戻し制度)に対応したオフ市場向け商品を2025年に6州で投入し、商業保険市場への本格的な展開を目指しています。一方で買収統合や規制承認に伴うリスクを明確に認識し、実務上の統合計画や規制対応を重視しています。

技術革新についてはデータと分析を中心に投資を拡大し、請求処理システムやプロバイダ向けポータルの高度化で運用効率と支払いの正確性を高めています。具体的には医療・薬局・歯科の各種データを統合して利用状況や格差を検出し、介入対象を特定して介入効果を測定する仕組みを導入しています。さらに機械学習や自動化の活用で業務コストの低減とサービス迅速化を図るとともに、これらの技術を法令順守と倫理的運用の枠組みで実装する方針です。