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CADENCE DESIGN SYSTEMS INCCDNS
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事業内容
CADENCE DESIGN SYSTEMS INCは、半導体や電子機器の設計を支援するソフトウエア、設計用IP、ハードウエアおよび関連サービスを提供する企業です。主力は電子設計自動化(EDA)ツールで、設計のシミュレーションや検証、エミュレーション装置などにより開発期間の短縮や消費電力・面積の最適化を支援しています。
同社の主要顧客は半導体メーカーや電子機器メーカーに加え、自動車、通信、データセンター事業者、産業機器やライフサイエンス分野の企業まで幅広く存在します。収益はソフトウエアのライセンスやサブスクリプション、設計IPのライセンスと出荷に伴うロイヤルティ、ハードの販売・リース、そして技術サポートや受託設計といったサービス収入で構成されています。
同社は事業を大きく三つに分けて展開しており、設計・検証の中核を担うコアEDA、半導体に組み込むIP、システム設計・解析のカテゴリーで製品を揃えています。コアEDAは機能検証や実装の自動化といった工程を支え、IPはメモリやインターフェースなどの設計資産を提供します。加えてクラウド型の提供形態や物理解析の統合、教育・コンサルティングやプロトタイピング用ハードを通じて顧客の設計効率向上を図っています。
経営方針
同社は持続的な収益成長と高いキャッシュ創出を目指しています。直近の連結売上高は2024年に約46.4億ドルを計上しており(地域別では米州約22.5億ドル、アジア約14.3億ドル、EMEA約7.0億ドル、⽇本約2.6億ドル)、契約上の未履行業務(顧客との契約上まだ収益化していない部分)のうち54%を次の12か月で、42%を13〜36か月で認識する見込みで収益の可視性を確保しています。株主還元や株式希薄化の抑制に向けた自社株買いプログラムも運用しており、時価総額は2024年6月末時点で約842億ドルと大規模な財務基盤を持っています。
同社は「Intelligent System Design」を核に、コアとなる設計ツール(Core EDA)、半導体用の設計部品であるIP、そしてシステム設計と解析(SD&A)の三領域に重点投資しています。これらを通じて消費電力や性能、面積といった「品質」を改善し、設計者の生産性を高めることを差別化の軸にしています。2024年はInvecas(買収額約9,500万ドル)やBETA CAE(システム解析分野の補完)などの買収を実行し、先端ノードや混載信号、組込みソフト、パッケージングなどの実務力を取り込むことで、単なるソフト販売からエンドツーエンドの技術支援へと提供価値を広げています。
同社は新市場の開拓と事業拡大に積極的で、自動車、航空宇宙、産業機器、ヘルスケアなどシステム設計需要が高い業種に注力しています。特にマルチフィジックス解析やクラウド型の提供モデル(Cadence Cloud)を拡充し、SaaSやホステッド設計サービスを通じて顧客の設計フロー全体に深く関与する方針です。今後も買収と戦略的投資を継続すると明言しており、RambusからのSerDes/Mem IP取得(約1.09億ドル)などでデータセンターやAI向けの需要取り込みを図っています。
同社は技術革新への投資を優先課題と位置づけ、研究開発費の増加や人材確保を通じて製品の差別化を図っています。2024年の研究開発費増加は前年差で約1.07億ドルで、その内訳は人件費や株式報酬が大きく、買収による技術者の取り込みも含まれます。AIを活用したシミュレーションやデジタルツイン、加速ハードウェア、IPの高度化など顧客が新しい製造技術や自動化ニーズに対応できるようにすることを通じて、同社は市場での競争優位を維持することを目指しています。