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BENTLEY SYSTEMS INCBSY
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事業内容
BENTLEY SYSTEMS INCはインフラ向けのソフトウェアを開発・提供する企業で、道路や鉄道、発電所や上下水道といった公共・産業インフラの設計から建設、運用までを一貫して支援する製品群を主力としています。特にインフラの現実をデジタル上に再現するインテリジェントなデジタルツインを中核に、クラウドとデスクトップでの設計・解析・情報共有を実現しています。
同社は世界189か国で4万1千を超えるアカウントに提供しており、売上は設計・建設を担う請負業者とインフラの所有者・運用者にほぼ半分ずつ分かれています。収益モデルはサブスクリプションを軸に定常的な年間収益(ARR)で成長を追い、企業向けのE365サブスクリプションや中小企業向けのオンライン販売チャネルを通じて販売を拡大しています。
事業面では大きく「プロジェクトの設計・施工支援」と「稼働資産の運用・性能改善」に分かれており、前者は設計・測量や施工現場の協業を支えるソフト、後者は資産の監視や保全、信頼性向上を支援するソリューションで構成しています。加えて、iTwinやCesiumを基盤とするデジタルツインプラットフォームや、IBM Maximoとの連携を含む資産パフォーマンスサービス、必要に応じた買収で機能を補完する戦略を進めています。
経営方針
同社は有機成長と選択的な買収を組み合わせてスケールを拡大する戦略を採っています。特にサブスクリプション型の年次経常収益(ARR)拡大を重視しており、企業向けにはE365サブスクリプションによる導入・定着の促進、数多くの中小顧客(SMB)獲得にはVirtuosityとe‑storeを通じた「ロータッチ/ノータッチ」販売の拡大を掲げています。顧客基盤は4万1,000以上のアカウント、189カ国に広がり、2024年の調整後営業利益(Adjusted OI w/SBC)は372,222千ドルと、2023年の324,677千ドルから約14.7%成長しており、成長と収益性の両立を図っています。
同社の重点投資分野は、企業向けのE365定着、SMB向けのデジタル販売基盤、そして資産性能(アセットパフォーマンス)領域のサービスです。E365では顧客ごとに定めたSuccess Plansを約800名のエンジニアリング領域経験者が支援し、ソフトウェアの消費拡大を狙っています。資産運用面ではIBM Maximoを活用するCohesive事業で「デジタル・インテグレーター」として実証モデルを示し、エンジニアリング企業への横展開を図ることで差別化しています。販売面では直接販売チャネルが2024年の売上の約93%を占め、チャネルは約7%と高い直販比率を保っています。
新市場開拓と事業拡大は主に買収と製品連携で進められています。近年は買収を通じたプラットフォーム強化を積極化しており、2021年のSeequent、2022年のPLS、2024年9月のCesium統合などで地盤や送電線、デジタルツイン表現の能力を補完しました。2024年は3件の買収で現金支出が約143.3百万ドルとなっており、プラットフォーム拡張と一貫した商材統合によって新規セグメントやSMBの「ロゴ」獲得を加速させる計画です。なお、顧客向けに既に契約済みで今後認識予定の残存履行債務は262,370千ドルと、受注の継続性も示されています。
技術革新では「インフラのデジタルツイン」を中核に据え、クラウドネイティブのBentley Infrastructure CloudやiTwinプラットフォーム、そしてCesiumの空間表現技術を組み合わせて差別化を図っています。同社は自社開発と買収の費用対効果を比較して投資配分を決める方針で、研究開発投資を継続して製品統合と相互運用性を高めています。また情報セキュリティ体制(CISO主導のインフォセックチーム)を強化し、ソフトウェア品質やサイバーリスク管理にも注力。株主還元面では取締役会が2024年に最大2億ドルの自己株買い枠を承認し、2024年は四半期配当で合計0.24ドル/株を支払うなど資本配分も活用しています。