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TopBuild CorpBLD
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事業内容
TopBuild Corp.は米国とカナダで断熱材と関連建材の施工と専門的な流通を主軸に事業を展開する企業です。同社は住宅や商業・産業向けにガラス繊維やスプレー式の断熱材などを現場で取り付ける施工サービスと、地域密着の流通拠点を通じた資材供給の両方を行っています。断熱の導入により建物の省エネルギー化やCO2削減につながる点も事業の特徴です。
同社の顧客層は地域の小規模工務店から大手の住宅メーカー、商業・産業のゼネコンや工場まで幅広く、売上は住宅新築、商業・産業建設、改修・保守といった建設活動に大きく依存しています。施工と専門流通という二つのチャネルで収益を上げており、特に流通部門は修繕・交換需要があるため景気変動による影響をある程度緩和する役割を果たしています。
事業は大きく施工部門と専門流通部門に分かれており、施工部門は地域ごとのブランドで支店網を運営して住宅向けを中心に迅速な現場対応を行っています。専門流通部門は地域の工事業者や機械断熱を必要とする産業向けに材料や加工サービスを供給し、集中購買や情報システムなど本社機能のスケールメリットを活かして各拠点の効率化を図っています。
経営方針
同社は安定した成長と効率改善を両立させることを目指しています。具体的には、住宅向けと商業・産業向けの両チャネルを通じて売上拡大を図る一方、営業キャッシュフローを重視して自己資本効率を高める戦略を取っています。直近では営業活動によるキャッシュ流入が7億7,602万ドル(2024年)となっており、株主還元の一環として2024年に最大10億ドルの自社株買い枠を設定、年内に約24.6万株(2,455,872株、買付額9.758億ドル、うち買戻し課税9.4百万ドルを含む)を取得しました。さらに2025年2月には改めて最大10億ドルの買戻し枠を承認しており、余力として2024年末時点で約1億8,810万ドルが残っています。流動性面では現金40.0百万ドルと500百万ドルのコミット付き回転借入枠を保有し、総流動性は約8.37億ドルです。
投資の重点は「現場施工(インストール)」と「専門流通(ディストリビューション)」の両輪にあります。同社は両事業を併せ持つことで、全国規模の大手ハウスビルダー向けの一貫サービスと、地域密着の小規模工事・保守需要の双方に対応できる点を差別化としています。流通部門ではガラス繊維や発泡断熱材が売上の約89%を占め、北米におよそ170拠点(米国)+20拠点(カナダ)の拠点網を持ち、集中的な購買や在庫管理で調達コストの低減と安定供給を図っています。営業マージンでは専門流通セグメントで2024年に15.1%を確保しており、価格改定や生産性向上で利幅を確保する方針です。
事業拡大は主に買収による成長で進めています。2024年は北カロライナやペンシルベニア、ミズーリ、アーカンソー、テキサスなど地域の施工会社や、商業・産業向けの加工・製造能力を持つ企業(たとえばShannon、Metro、PCIなど)を現金で取得し、合計で数千万ドル規模の買収を実行しました。これにより機械系断熱の加工・納品能力や大都市圏での流通網を強化し、新たな顧客層や定期保守市場への参入を図っています。買収は当面の主要成長手段であり、買収後の統合で生じうる運営上のリスク管理も重視しています。
技術と管理面では業務効率化と安全・信頼性の両方に投資しています。同社は業務プロセスの電子化や中央購買・会計・ITの活用で現場の支援を図るとともに、サイバーセキュリティのリスク管理プログラムを整備しています。内部統制については経営陣が2024年12月31日時点で財務報告に係る統制が有効であると評価しており、独立監査法人による監査も受けています。さらに、顧客向け付加価値サービスとして現場での加工・特注対応能力を高める投資を続け、価格競争以外の差別化を進めています。