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BankFinancial CORPBFIN
事業内容
BankFinancial Corporationは、イリノイ州バールリッジを拠点とする持株会社で、同社が全株式を保有する銀行を通じて地域密着型の銀行業を展開しています。同社は対面の支店網とインターネット支店を使い、預金受付、各種貸出、信託や資産管理、財務計画といったフルサービスの銀行業務を行っています。
主要な顧客はシカゴ都市圏の個人・家族および中小企業に加え、商業不動産・設備投資・医療向けファイナンスなどを必要とする法人です。同社は貸出による利息収入を主な収益源とし、現金管理や信託、保険仲介などの手数料収入が副次的な収益を支えています。
事業は単一の運営ユニットで管理されますが、商品別には明確な構成があります。貸出ポートフォリオは主に集合住宅向け不動産、非居住用不動産、商業ローン・リースが中心で、預金は普通預金、当座預金、マネーマーケット口座、定期預金などで成り立っています。加えて信託部門や保険代理の子会社、不動産売却を扱う子会社が関連サービスとして運営されています。
経営方針
同社は強固な資本と流動性を背景に、選択的な成長を目指しています。具体的には、2025年に小口の商業ローンと一般的な商業ファイナンスの起源を加速させる計画で、自己資本の健全性も維持します(2024年12月31日時点のTier 1レバレッジ比率は10.90%)。株主還元と資本効率の両立も重視しており、2024年は15,203株を自己株式として買い戻し、1株当たり簿価は12.45ドルから12.55ドルに上昇、四半期配当は通年で1株当たり0.10ドルを維持しました。
同社は商業預金関係と関連する非利息収入サービスへの投資を重点化しています。基盤として預金残高は2024年末で約12.18億ドルあり、そのうち商業預金は約20%を占め、コア預金が約80%強を占めるため、同社は入出金や現金管理(Treasury Services)といった企業向けサービスを強化して手数料収入を伸ばす戦略をとっています。加えて信託部門の能力拡張を通じて、事業性の高い顧客層への提案力を高め、非利息収入の成長を図る方針です。
同社は事業拡大にあたって支店依存を減らし、デジタルやリモート窓口を活用することで新規市場や既存顧客への接点を広げようとしています。貸出面では2024年末時点で総貸出約8.95億ドルのうち、マルチファミリー向けが約5.22億ドル(約58%)を占める構成で、金利環境次第ではマルチファミリーや非居住用不動産の伸びは限定的と見込む一方、小規模事業者向けの与信枠や商業預金の拡大で成長を狙います。公開格付け企業や中堅大口の設備ファイナンスは金利や新車両価格の影響で成約が限定的と予想しており、案件の質を重視した選別的な拡大を行います。
同社は技術革新と情報セキュリティの強化を重要施策に位置づけています。支店数を抑えつつ「実績のある技術」を導入して商業ローン・預金のサービス提供範囲と効率を高めることを目指しており、情報セキュリティや第三者ベンダー管理、定期的な内部・外部監査、従業員向け研修などの体制を整備しています。金融政策による金利・流動性の変動リスクに備えつつ、想定シナリオでの金利収益拡大と経費効率・資産品質の維持に注力する方針です。