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AppLovin CorpAPP
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事業内容
AppLovin Corpは、AIを活用した広告プラットフォームと自社のモバイルアプリ事業を中核に展開する企業です。同社は広告主が適切なユーザーにリーチし、広告投資の効果を高めるための一連の広告ソリューションを提供するとともに、自社でゲームやアプリを開発・運営しています。2025年2月にはモバイルゲーム事業を約9億ドルで売却するタームシートに合意したと発表しました。
同社の顧客は大手企業からインディーの開発者、eコマース広告主やアプリのパブリッシャーまで幅広く、広告主の支出に対する成果で収益を得る構造が中心です。自社アプリからはアプリ内課金や広告枠の販売で収益を上げ、広告サービスと自社アプリの相互作用で売上を拡大しています。
同社の事業は大きく広告ソリューションとアプリ(Apps)の両輪で構成され、広告側ではユーザー獲得を支援するAppDiscovery、AIによる配信最適化エンジンAXON、広告仲介のMAX、計測ツールのAdjustなどを揃えています。アプリ側はカジュアル、マッチスリー、カード/カジノなど幅広いジャンルを抱え、ライブ運用で課金設計を改善しながら同社の広告プラットフォームで集客と収益化を図っています。将来的にはゲーム外のモバイル分野や接続テレビ(CTV)、OEM・通信事業者向けなど新市場への展開も進めています。
経営方針
同社は広告プラットフォームとアプリ両面の強みを生かして、収益拡大と利益率改善を両立することを目指しています。実績としては2024年の売上高は47億ドルで前年比43%の成長、同年の調整後EBITDAは27億ドル、営業活動によるキャッシュ創出は21億ドルに達しました。近時はモバイルゲーム事業の売却に向けて、総額9億ドル(うち5億ドルが現金、4億ドルが買い手株式)を条件とする基本合意を発表するなど、ポートフォリオの最適化を通じた資本配分で短期的な収益ショックを受け入れつつ長期の財務健全化を図っています。
重点投資分野は広告技術の強化とそれを支える研究開発で、同社は人工知能(AI)を核にした広告エンジン「AXON」や、ユーザー獲得のための「AppDiscovery」、計測ツールの「Adjust」、収益化ミドルウェアの「MAX」などを中心に機能強化を進めています。2018年から2024年までに約41億ドルを33件の買収や提携に投じており、規模とデータを組み合わせて広告主の投下資本利益率を高める点で差別化を図っています。研究開発人員も多く、2024年末時点で約788人、全社員の半数程度が開発関連に従事しており、技術力と人材確保を重視しています。
新市場の開拓については、同社はゲーム以外の分野への横展開を目指しています。具体的にはeコマースやコネクテッドテレビ(CTV)、端末メーカーや通信キャリア向けの取り組みを進め、買収したCTV向け事業やArrayといった製品でチャネルを広げています。グローバル展開にも注力しており、2024年には売上の約43%が米国外から生じているため、直販体制の強化、製品教育、地域別のプロダクト改良に投資して新規顧客獲得を図っています。一方で、買収や事業再編には統合コストや従業員対応、2022年に計上した1億2790万ドルの減損損失のような短期的な損失リスクがある点も認識しています。
技術革新への取り組みは長期の競争力の根幹で、同社はAXONの自己学習機能の強化や広告推薦精度の向上に継続的に投資しています。これらの投資は直ちに売上に結びつかない場合もあるとしていますが、広告効果の向上で顧客の広告投資回収を改善し、その成果が同社の収益拡大につながるという戦略です。加えて、アプリ側では運用(ライブオペレーション)による収益最適化や、ユーザー獲得費用の見直しによるマージン改善といったデータ駆動のコスト最適化も進めています。